大量の水しぶきを上げて鈴鹿サーキットの最終コーナーを通過するジョージ・ラッセル(メルセデス)、2022年10月7日F1日本GP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

メルセデス1-2、レッドブルは虎視眈々…角田裕毅は最多周回で充実の走り込み / F1日本GP《FP2》結果とダイジェスト

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2022年F1第18戦日本GP金曜2回目のフリー走行が10月7日に行われ、ジョージ・ラッセルがインターミディエイトタイヤで1分41秒935を記録。2番手に0.235秒差でルイス・ハミルトンが続き、メルセデスがタイムシートの最上部を独占した。

コンマ8秒背後の3番手にはマックス・フェルスタッペン、4番手にはセルジオ・ペレスが並び、レッドブル・レーシングの2台がシルバーアローに続く結果となった。

虎視眈々と決勝に備えるレッドブル

選手権をリードするミルトンキーンズのチームは鈴鹿サーキットでの前走車に対する追従性を確認するかのように、フェルスタッペンが数周に渡ってセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)の背後を走行し続けるシーンが見られた。

また決勝レースが同様のコンディションになることを見越してか、終盤は精力的にロングランに取り組んでいた。まさに虎視眈々といった様子だ。

フェラーリ勢はカルロス・サインツが6番手、フェルスタッペンのタイトル連覇阻止の要であるシャルル・ルクレールはブレーキにトラブルを抱えて11番手に留まった。

鈴鹿サーキットを走行するマックス・フェルスタッペンの1号車レッドブルRB18のリア、2022年10月7日F1日本GP FP2Courtesy Of Red Bull Content Pool

鈴鹿サーキットを走行するマックス・フェルスタッペンの1号車レッドブルRB18のリア、2022年10月7日F1日本GP FP2

先の読めない週末

FP1に引き続き鈴鹿上空には雨雲が広がり、予選・決勝と同時刻帯のプラクティス2は気温15.8℃、路面18.9℃と、オープニング・セッションとほぼ同じウェットコンディションでスタートした。

予定されていた2023年仕様のピレリタイヤテストは降雨によりキャンセルされたものの、セッションは予定通り90分で行われた。

この日のタイムシートからある種の結論を導き出すのは中々に難しい。予選が行われる土曜は天候が回復する見通しで、各チームともドライとウェット、どちらでセットアップを行うか頭を悩ませることになる。その一方で日曜は再びウェットが予想される。

FP2開始時の路面状況はFP1よりも悪く、アクアプレーニング現象を引き起こしかねない川が幾つか確認される中、各車まずはフルウェット・タイヤを履いて周回を重ね、その後インターミディエイトへと移行していった。

セッション中盤以降は小康状態となり改善が期待されたものの、路面は遅々として乾かず、インターミディエイトのオーバーヒートを訴える声が各車から上がった。

角田裕毅、充実の最多周回

母国スペシャルヘルメットをバックにセッションに向けた準備を進める角田裕毅(アルファタウリ)、2022年10月7日F1日本GP FP2Courtesy Of Red Bull Content Pool

母国スペシャルヘルメットをバックにセッションに向けた準備を進める角田裕毅(アルファタウリ)、2022年10月7日F1日本GP FP2

アルファタウリ勢は角田裕毅が全車最多となる27ラップを走り込み14番手タイムをマークした。対してチームメイトのピエール・ガスリーは13周を重ねて19番手と下位に留まり、「酷いもんだ」と口にしながらピットへと戻っていった。

足元がおぼつかない中、角田裕毅はデグナー1でグラベルトラップに飛び出すシーンがあったが、ウォールとの接触は回避。無事にコースに戻った。その直後にはルクレールがヘアピンで止まり切れず、こちらもグラベルに足を踏み入れたが、既の所でクラッシュを避けた。

印象的なハース、アルピーヌ、アルファロメオ

ベスト・オブ・レストの5番手を刻んだのはケビン・マグヌッセンだった。序盤は下位に沈むもセットアップ変更を経た終盤、4番手ペレスにコンマ3秒差の自己ベストを刻んだ。

ハースの僚友、ミック・シューマッハはFP1終了後の大クラッシュを経てセッションを欠場した。チームによるとモノコックに損傷が見つかったと言う。交換を終えるには時間が足らなかった。

今季のハースは当たり外れが大きく、コースによって浮き沈みが大きいが、少なくとも初日を見る限り、鈴鹿でのVF-22には期待できそうな雰囲気がある。

ハースの他に中団の中で印象的なパフォーマンスを見せたのはアルピーヌとアルファロメオだった。

FP1でトップタイムをマークしたフェルナンド・アロンソは7番手、僚友エステバン・オコンは9番手を刻み、その間にバルテリ・ボッタスを挟んだ。鈴鹿初走行の周冠宇は10番手でクルマを降りた。

セッションが中断するような大きなクラッシュはなかった。ターンインの場所を間違えたのか、開始早々にウィリアムズのニコラス・ラティフィが最終シケインの通過を逃す奇妙なシーンもあった。

F1第18戦日本グランプリの3回目のフリー走行は10月8日(土)12時から1時間の日程で開催される。

2022年F1第18戦日本GPフリー走行2(FP2)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:41.935 23
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:42.170 +0.235 22
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:42.786 +0.851 24
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:42.834 +0.899 26
5 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:43.187 +1.252 17
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:43.204 +1.269 23
7 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:43.533 +1.598 14
8 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:43.733 +1.798 20
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:43.884 +1.949 13
10 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:44.525 +2.590 17
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:44.709 +2.774 10
12 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:44.962 +3.027 16
13 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:45.039 +3.104 15
14 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:45.257 +3.322 27
15 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:45.261 +3.326 24
16 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:45.885 +3.950 11
17 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:46.030 +4.095 9
18 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:46.776 +4.841 21
19 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:47.109 +5.174 13

コンディション

天気
気温15.8℃
路面温度18.9℃

セッション概要

グランプリ名 F1日本GP
セッション種別 フリー走行2
セッション開始日時

サーキット

名称 鈴鹿サーキット
設立 1962年
全長 5807m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

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