表彰台の上でガッツポーズを取るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年7月4日F1オーストリアGP
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ホンダ、88年黄金期に並ぶ5連勝!「恐れる事は何もない」とレッドブル 6連勝に自信 / F1オーストリアGP《決勝》結果とダイジェスト

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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第9戦オーストリアGP決勝レースが7月4日(日)にレッドブル・リンクで行われ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが3戦連続のポール・トゥ・ウインを達成した。

後続よりも1回多い2ストップでありながらも17.973秒という大差を付け、更にファステストラップを刻んだ事でフランスGP以来2度目の”ハットトリック”(ポール、優勝、最速の3冠)と、これに全周ラップリードを加えたグランドスラムを史上25人目として達成した。

ホンダとしてはマクラーレンと共に、アイルトン・セナとアラン・プロストが16戦中15勝という圧倒的な強さを見せた黄金時代の1988年以来、33年ぶりの5連勝となった。33年前、マクラーレン・ホンダは開幕11連勝を飾った。

2位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。ポディウムセレモニーにはホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターの姿があった。復帰後初優勝を飾った同じレッドブル・リンクでの2019年以来の登壇となった。

シャンパンまみれのホンダF1田辺豊治テクニカル・ディレクター、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

シャンパンまみれのホンダF1田辺豊治テクニカル・ディレクター、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レースにて

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は次戦イギリスGPに向けて「メルセデスは過去何年にも渡ってシルバーストンで強さを発揮しているから今回も恐らく手強いだろう。それにスプリントレースが新たに導入され、何か変化があるかもしれない。だがこの勢いを持ち込めれば、恐れる事は何もない」と、6連勝に向けて大いに自信を得た様子を見せた。

4番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)はボッタス共々ペースが上がらず、挙句の果てにクルマにダメージを負った事で失速を余儀なくされ、一時は2番手を走行しながらもスタートポジションでフィニッシュする事となった。

ホンダパワーユニット勢としては4台がトップ7からスタートする好機を得たものの、フェルスタッペン以外の3台は上手く結果に繋げる事が出来なかった。

3番グリッドのセルジオ・ペレスは開始早々にノリスに押し出される形でグラベルの餌食となり大きく後退。その後は2度に渡ってシャルル・ルクレール(フェラーリ)をコース外に追いやったとして、5秒ペナルティを2度受けるなど精彩を欠いて5位フィニッシュ。最終6位に降格した。

1ストップ戦略が主流となる中、アルファタウリ・ホンダ勢はソフトスタート故に2ストップを強いられ、これがリザルトに大きく影響した。6番グリッドのピエール・ガスリーは9位をもぎ取りポイントを持ち帰ったが、角田裕毅はピット入口の白線を横切ったとして2度渡って5秒ペナルティを受ける過ちを繰り返し、ポイント圏外12位でクルマを降りた。

アルファタウリとは対照的にソフトスタートを嫌って”敢えて”トップ10圏外から新品ミディアムを履いてスタートしたスクーデリア・フェラーリ勢は、49周目まで第1スティントを引っ張ったカルロス・サインツが5位と、宿敵マクラーレンのダニエル・リカルドを7位に抑えてみせ、更にはシャルル・ルクレールが8位と、チームとして狙い通り見事に挽回してみせた。

ウィリアムズ悲願のポイント獲得に期待が寄せられたジョージ・ラッセルは9番グリッドからスタートするも、上手く蹴り出せずに大きくポジションをダウンする厳しい出だしを強いられた。その後、徐々に巻き返していき52周目に10番手に浮上するも、残り4周というところでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の容赦ない追撃の前に崩れ去り、ポイント圏外11位でフィニッシュした。

表彰台に上がったメルセデスのバルテリ・ボッタス、ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、レッドブルのマックス・フェルスタッペン、マクラーレンのランド・ノリス、2021年7月4日F1オーストリアGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台に上がったボッタス、田辺豊治、フェルスタッペン、ノリス

レース概要

同じレッドブル・リンクで開催された前戦シュタイアーマルクGPから1週間。コースは同じであるものの、公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入した。

上位勢ではアルファタウリ勢とアストンマーチン勢の4台が中古のソフトを、タイヤ選択の自由がある予選11番手以降としてはサインツとキミ・ライコネン(アルファロメオ)がハードタイヤを、それ以外はミディアムを履いてグリッドに着いた。入賞10台の内の7台はミディアムとハードの1ストッパーだった。

本レースでは、度重なるトラックリミットがあったとしてニキータ・マゼピン(ハース)とキミ・ライコネン(アルファロメオ)にブラック&ホワイトフラッグが振られる場面があった。またランス・ストロール(アストンマーチン)にはピットレーンの速度違反で5秒ペナルティが科された。

決勝は日本時間4日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4326mのコースを71周(306.452km)する事で争われた。現地シュピールベルクは上空に雲が垂れ込めながらも、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温21℃、路面34℃、湿度49.4%のドライコンディションで開始された。

マクラーレンのランド・ノリスを抑えてラップリードを守るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レースのオープニングラップにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

マクラーレンのランド・ノリスを抑えてラップリードを守るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年7月4日F1オーストリアGP決勝レースのオープニングラップにて

オープニングラップのターン3では、エステバン・オコン(アルピーヌ)が両側をアルファロメオとウィリアムズに挟まれ右のフロントサスペンションを破損。本大会唯一のセーフティーカー(SC)が導入された。24歳のフランス人ドライバーはアルピーヌとの契約更新以降、一度も入賞出来ていない。

なおSC先導下で追い抜きがあったとして、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)に5秒ペナルティの裁定が下された。

角田裕毅はスタートポジションを維持して13周目にピットイン。翌周にはガスリーがピットストップを行い、共にハードタイヤに履き替えて最後尾18・19番手でコースに復帰するも、ピット入り口の白線を横切ったとして角田裕毅に5秒ペナルティが下った。角田裕毅は2回目のピットインの際にも同様の行為を繰り返し、再び5秒を喰らった。

レースは4周目に再開された。ペレスはターン4のアウト側からノリスに仕掛けるもアウト側のグラベルに飛び出て一気に10番手にまで後退。ペレスは押し出されたと主張し、一件は審議の対象となり、ノリスに5秒ペナルティの裁定が下った。

ハミルトンは、20周目にようやくノリスをオーバーテイクして2番手を確保。だがこの時既にラップリーダーのフェルスタッペンは9.8秒のギャップを築いていた。

最終的に表彰台に上がる事になるノリスとボッタスは31周目にピットイン。ノリスは5秒ペナルティを消化したため逆転を許し、ボッタスの後方3.5秒、実質的な4番手でコースに復帰した。

これを機に翌周にハミルトンが、そして翌々周にフェルスタッペンとペレスがタイヤ交換を消化。第2スティントの争いが始まるとメルセデス陣営は、ボッタスにターン10の縁石を避けて走行するよう指示。ハミルトンがダメージを負った可能性があると付け加えた。

中盤の見所は8番手争いを繰り広げていたペレス対ルクレールだった。まずは41周目にルクレールがターン4でペレスに仕掛けるも、序盤のレース再開時とは逆に、今度はペレスがルクレールを押し出す形となり、まずは1回目の5秒ペナルティを喰らった。

その後両者はターン5でも同様にサイド・バイ・サイドとなり、再びコース外に追いやったとしてペレスに追加の5秒タイムペナルティーが科された。

序盤の転落による焦りがあった事は確かだろうが、トップチーム故の重圧だろう。レーシングポイント時代のペレスにはなかった精細の欠きっぷりだった。レッドブル・ホンダはフェルスタッペンのチームメイトに対して、常に2位表彰台のプレッシャーを掛け続けている。

当初メルセデスはノリスの追撃を受けるボッタスに対して、手負いのハミルトンを追い抜くなと指示していたものの、ハミルトンのタイヤが最後まで保たない可能性が出てきたために態度を変更。チームオーダーを出して52周目に順位を入れ替えた。

3番手に後退したハミルトンはノリスに対して為す術なく追い抜きを許すと、フリーストップを利用して2回目のピットストップを行って再びハードタイヤを履いた。

単独クルーズを続けていたフェルスタッペンは大量リードを構築。安牌を切って同じくフリーストップを使って61周目に2回目のピットインを実施。ボッタスの前方7秒の位置でトップ復帰した。

終盤に向けフェラーリは、リカルドを追い抜きあぐねていたルクレールとサインツの順位を入れ替えた。第1スティントを引っ張ることでタイヤ的なアドバンテージを有していたサインツは残り2周でリカルドをオーバーテイク。コンストラクター選手権争いにおける重要な役割を果たした。

ファイナルラップでは、ターン5へと向かうところでベッテルとライコネンが接触するインシデントが発生した。両者共にグラベルの餌食となり、ライコネンは16位、ベッテルは17位でレースを終えた。

一件はレース後に、この際に振られたダブルイエロー無視の件と合わせて審議が行われた。ベッテルとライコネンに加えて十分な減速をしなかったとして8名が調査の対象となり、3名にペナルティが科された

スチュワードは事故の責任はライコネンにあるとして、ドライブスルー・ペナルティと2点のペナルティポイントを科す裁定を下した。レース後であるためドライブスルーは20秒加算とされ、罰則ポイントは6点に達した。

ダブルイエロー無視に関しては5位~9位の入賞圏内でフィニッシュした全員に加えて14位のアントニオ・ジョビナッツィがお咎めなしとされた一方、ニコラス・ラティフィとニキータ・マゼピンには10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティと3点のペナルティポイントが科された。

既にレースが終了している事から両者にはそれぞれレースタイムに30秒が加算され、過去12ヶ月間におけるマゼピンの累積ポイントは5点、ラティフィの累積ポイントは6点に達した。

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 71 1:23:54.543 26
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 71 +17.973s 18
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 71 +20.019s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 71 +46.452s 12
5 55 カルロス・サインツ フェラーリ 71 +57.144s 10
6 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 71 +57.915s 8
7 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 71 +60.395s 6
8 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +61.195s 4
9 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 71 +61.844s 2
10 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 70 +1lap 1
11 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 70 +1lap 0
12 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 70 +1lap 0
13 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 70 +1lap 0
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 70 +1lap 0
15 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 70 +1lap 0
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 70 +1lap 0
17 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 69 DNF 0
18 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 69 +2laps 0
19 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 69 +2laps 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 0 DNF 0

コンディション

天気
曇り
気温
21℃
路面温度
34℃
周回数
71

レース概要

グランプリ名
F1オーストリアGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
レッドブル・リンク
設立
1969年
全長
4326m
コーナー数
10
周回方向
時計回り

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