ホンダF1、”完璧”なレースで通算84勝「フェルスタッペンがまたも記憶に残る勝利を挙げてくれた」と田辺TD
F1第9戦オーストリアGP決勝レースに挑んだホンダF1は、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンがポール、優勝、ファステストラップ、全周リードの圧倒的な強さで3連勝を果たした事で、1988年以来の5連勝を飾った。
33年前、マクラーレン・ホンダはアイルトン・セナとアラン・プロスト共にシーズン16戦中15勝という圧倒的な強さを発揮。開幕11連勝を飾った。いわゆる黄金時代以来の5連勝だった。
全車Q3進出という予選を経て、ホンダ勢はフェルスタッペンがポールポジション、僚友セルジオ・ペレスが3番グリッド、アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが6番グリッド、角田裕毅が7番グリッドからレースに臨んだ。
エステバン・オコン(アルピーヌ)がクラッシュを喫した事で1周目にセーフティーカーが導入された。リスタートの際にランド・ノリス(マクラーレン)にコース外に押し出されたペレスは10番手にまで後退し、ノリスに5秒ペナルティーが科された。
ペレスはレース中盤にシャルル・ルクレール(フェラーリ)との激しいバトルを展開。だが焦りからか、2度に渡ってルクレールをコース外に追いやったとして5秒ペナルティを2回科されるなど精彩を欠いた。ただそれでも6位フィニッシュを果たしてチームにポイントを持ち帰った。
ソフトスタートのアルファタウリ勢は早めのタイヤ交換が必要となり、角田裕毅は12周目、ガスリーはその翌周にピットイン。共にハードタイヤに交換したものの、ピット入り口の白線を横切ったとして角田裕毅に5秒ペナルティが下った。角田裕毅は2回目のピットインの際にも同様の行為を繰り返し、再び5秒を喰らい、最終12位でレースを終えた。
ガスリーの方は2ストップ戦略が予想外にアドバンテージを生まない状況の中、45周目からの第2スティントで激しく追い上げていき、ダニエル・リカルド(マクラーレン)とルクレールに迫る9位でフィニッシュした。
表彰台には2019年のオーストリアGPと同様に田辺豊治テクニカルディレクターが登壇。フェルスタッペンと共に喜びを分かち合った。レッドブルの計らいだった。
71周(306.452km)に及んだ長き戦いを終えて田辺TDは次のようにレースを振り返った。
「今日のオーストリアGPではフェルスタッペン選手が見事にポール・トゥ・ウインを飾り、自身の3連勝と合わせて、レッドブル・ホンダにとっての5連勝を達成してくれました」
「ポールポジションからスタートしたフェルスタッペン選手は、先週に続いてレースを完璧にコントロールし、レッドブルにとってのホームレースでの連勝という、また一つ記憶に残る勝利を挙げてくれました。いつもながら素晴らしいパフォーマンスだったと思います」
「チームメートのペレス選手は接触により10番手までポジションを落とし、巻き返していく最中のバトルで10秒のペナルティーを科される苦しいレースとなりましたが、最後までプッシュし続けて6位入賞を果たしてくれました。良い結果だと考えています」
「アルファタウリ・ホンダの2台はガスリー選手が6番グリッド、角田選手が7番グリッドという好位置からスタートしたのですが、レースペースが上がらず厳しいレースとなりました」
「ただ、粘り強くレースを続けた結果、ガスリー選手が9位入賞を果たしてくれました。角田選手はペナルティーもあって12位に終わりました。週末を通して見せていた速さからすると残念な結果になりました」
「フランスGPからの3連戦を終え、次戦はホンダとレッドブル・レーシング双方が拠点を構える英国シルバーストンでのレースとなります。これまでの良い流れを維持して、また十分に準備をして臨みたいと思います」