
ハジャー「ほぼ完璧」自信深めたスペイン7位、一方で”0.5秒”の不運に泣いたローソン―ブルズ快進撃止まらず
2025年F1第9戦スペインGPにおいて、レーシング・ブルズのアイザック・ハジャーが見事7位でフィニッシュし、3戦連続のポイント獲得を果たした。中団での激戦が続く今季にあって、新人ながら安定したパフォーマンスを示すハジャーと、チーム全体の好調さが際立っている。
ハジャー、セカンドベストの7位で3戦連続入賞
今季からF1にフル参戦しているフランス人ルーキーのハジャーは、序盤から終始トップ10圏内を維持。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)にアンダーカットを許したもののコース上で抜き返し、終盤にかけては8番手を走行した。
セーフティカー明けにはニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)にポジションを奪われたが、それでも7位でフィニッシュする堅実な走りを見せた。
レース後、ハジャーは「ほぼ完璧。戦略も的確だったし、ミディアムタイヤでのペースもすごく良かった。最近はどのレースでも限界までプッシュできている」と手応えを語り、自身の成長とチームとの連携の高さを強調した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ドライバーズパレードで談笑するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年6月1日(日) F1スペインGP決勝(カタロニア・サーキット)
ローソンは惜しくも11位、SCタイミングに泣く
チームメイトのリアム・ローソンは、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)やオリバー・ベアマン(ハース)との間で3度の接触が発生。終盤に向けてポイント圏内を走行していたが、セーフティーカー導入時にピットのタイミングを逸し、フレッシュなタイヤを履くガスリーに抜かれて11位でフィニッシュした。
ローソンは「速さはあったし、実際にオーバーテイクもできていた。順調だったけど、セーフティカーラインにわずか0.5秒届かず、ピットのタイミングを逃してしまった。本当に悔しい。次のカナダでは、今回のレースペースの高さを追い風にポイントを狙いたい」と振り返った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
カタロニア・サーキットのパドックに到着するリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)と恋人のハンナ・セント・ジョン、2025年6月1日(日) F1スペインGP決勝
予選・決勝ともに高い競争力、中団トップ争いへ
チーム代表のローラン・メキーズは、「この3連戦の全てでQ3に進出し、3戦連続でポイント獲得できた」と成果を強調。昨年苦戦したバルセロナでの今回の好成績は、VCARB 02の一貫性と競争力を証明するものであるとし、「ここ最近はずっと中団の上位を争えている」と自信を示した。
レーシング・ブルズは3連戦を終えて、コンストラクターズ選手権でアルピーヌやハースを抜き去り、6位に浮上。ドライバーズランキングでは、ハジャーが9位に上昇した。
成功裏に終えた三連戦、そしてカナダへ
イモラ、モナコ、バルセロナと続いた過酷な三連戦を終え、レーシング・ブルズは着実な進化を見せた。この3戦で8位から順位を上げた背景には、安定したハジャーのパフォーマンスと復調傾向にあるローソンの走り、そしてこのチームとしては珍しくも的確な戦略判断があった。
メキーズは「まだ戦いは始まったばかり。やるべきことは山ほどある。カナダでも2台ともに力強く戦える準備はできているが、ポジションを守るのは簡単ではない」と語り、次戦に向けて気を引き締めた。
2025年F1第9戦スペインGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、今季5勝目を挙げた。チームメイトのランド・ノリスが2位、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は3位でフィニッシュし、バルセロナで自身初の表彰台に上がった。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは、6月13日のフリー走行1で幕を開ける。