
皮肉対応から一転…フェルスタッペン、ラッセル接触での非を認め“謝罪”
2025年F1第9戦スペインGPのレース終盤に発生したジョージ・ラッセル(メルセデス)との接触を巡り、決勝翌日にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は態度を改め、自らの非を認めた。
後に必要なかったと判明したポジション返上の指示を受け、フェルスタッペンは一旦、ラッセルを先行させたものの、「急加速」してラッセルに衝突。フェルスタッペンには10秒ペナルティとペナルティポイント3点が科された。この結果、5位から10位に後退。累積11点となり、1戦の出場停止処分まで後1点となる状況に追い込まれた。
レース後に大きな議論を呼んだこの一件は、チャンピオンとしての彼の振る舞いや精神性を問う声へと発展した。2016年のF1ワールドチャンピオンであるニコ・ロズベルグは「意図的な報復」と断じ、失格にすべき行為だったと批判した。
また、ラッセルは「彼自身の評価を下げるものだ」「かなり意図的に感じた」と非難。これに対してフェルスタッペンは、「(そんなに泣き言を言うなら)次はティッシュを用意しとくよ」と皮肉交じりに応じたが、翌日には態度を改め、SNSに次のように投稿した。
「終盤のタイヤ選択と、セーフティカー明けのいくつかの動きがフラストレーションが、あの“正しくない”、起きるべきではなかった動きに繋がった」と認めた。また、「自分はいつだってチームのために全力を尽くしているし、時には感情が高ぶることもある」とし、「ともに勝つときもあれば、ともに負けるときもある」と心情を綴った。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、レース後のデブリーフィングでフェルスタッペンが一連の行動を反省し、チームに謝罪したとSNSを通して明かした。
ホーナーは「セーフティカーが出たのは、我々の戦略にとって最悪のタイミングだった。古いタイヤで走り続けるか、新しいハードタイヤに賭けるかという選択を迫られた」と状況を振り返りつつ、「楽に表彰台と選手権ポイントを手にできるはずだっただけに、非常に悔しい結果になった」とコメントした。
さらに、「マックスはラッセルとの接触について、デブリーフィングで謝罪した」とし、「セーフティカーは角田(裕毅)のレースにも影響を与えた。あのまま行けば、かなり良い位置か、ポイント圏内に入っていたはずだ」と再び悔しさを滲ませた。
そのうえで、「だが、これがレースというものだ。一瞬で流れが変わる。それこそが、我々がこのスポーツに夢中になり、愛してやまない理由のひとつだ。厳しい週末だったが、これから数週間でマシンのセットアップを改良し、モントリオールで力強く巻き返すつもりだ」と前向きなコメントで締めくくった。