
ピアストリ、2連勝で初の選手権首位!角田は1周目リタイヤ / F1サウジアラビアGP 2025《決勝》結果と詳報
2025年FIA-F1世界選手権第5戦サウジアラビアGPの決勝レースが現地4月20日にジェッダ市街地コースで行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が前戦バーレーンGPに続く勝利を飾り、ドライバーズ選手権で僚友ランド・ノリスを交わし、キャリア初の首位に立った。角田裕毅(レッドブル)はリタイヤに終わった。
勝負は1周目のターン1で早くも決した。2番手スタートのピアストリは完璧な蹴り出しを決め、ポールシッターのフェルスタッペンに先行。ターン1へとアプローチしたが、フェルスタッペンはコース外へ逃れてポジションを維持した。この行為は不当なアドバンテージと判断され、フェルスタッペンに5秒のタイムペナルティが科された。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)との首位対決を経てエスケープゾーンに飛び出すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年4月20日(日) F1サウジアラビアGP決勝(ジェッダ市街地コース)
ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)を除く全車が1ストップ戦略を採用する中、フェルスタッペンはピットストップで5秒ペナルティを消化。これにより順位が入れ替わり、ピアストリはフェルスタッペンに2.843秒差をつけ、今季3勝目を挙げた。
レース後のグリッドインタビューに応じたフェルスタッペンは、スチュワードの裁定に対する不満をにじませ、ファンに対する感謝を口にすると、早々にインタビューを切り上げた。一件についてはレース中、「ピアストリにコース外へ押し出された」として無線で不満をあらわにしていた。
なおレース終盤に向けては、ピアストリが「ターン10の手前にあるバルコニーに、赤く点滅してるライトがあるんだけど、あれすごく紛らわしい。完全に赤旗にしか見えないんだよね」と無線で報告する珍しい場面があった。
ピアストリの僚友ランド・ノリスは、土曜の予選でクラッシュを喫し、10番グリッドからのスタートを強いられたが、決勝では堅実な走りを見せて4位でフィニッシュ。一方で、ドライバーズ選手権では2位に後退した。なお、ピットアウトの際にピット出口の白線を越えた疑いが持たれていたが、スチュワードは調査を経て不問とした。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)は残り13周、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を攻略して3番手に浮上。そのままチェッカーフラッグを受け、フェラーリに今季初の表彰台をもたらした。僚友ルイス・ハミルトンはポジションキープの7位でフィニッシュした。
角田は1周目のターン4で、右フロントがピエール・ガスリー(アルピーヌ)の左リアと接触。両者はともにスピンを喫し、リアからターン5のバリアに衝突した。ガスリーはその場でリタイアし、角田もピットへ戻ったものの、クルマのダメージが大きく、こちらもリタイアを余儀なくされた。
この事故の影響でセーフティーカー(SC)が導入され、この間にドゥーハン、エステバン・オコン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)の3名がピットイン。ハードタイヤに履き替えることでピットストップ義務を消化した。レースは4周目に再開された。
LAP 1/50
⚠️ Safety Car ⚠️
Verstappen leads through the first few corners after a charge from Piastri into the first corner! But then Tsunoda and Gasly come together 😱#F1 #SaudiArabianGP pic.twitter.com/vv2sMGydaH
— Formula 1 (@F1) April 20, 2025
メルセデス勢はペースに苦しみ、ラッセルは5位、アンドレア・キミ・アントネッリは6位と、2台揃ってポジションを落とした。
カルロス・サインツもポジションを2つ落としたが、それでも8位でフィニッシュ。9位には僚友アレックス・アルボンが入り、ウィリアムズはダブルポイントで3連戦を締めくくった。
チーム無線では、少し荒れたやり取りが確認された。前走車両とのギャップを意識し、フロントタイヤのオーバーヒートに気をつけるよう指示されたアルボンは、「後ろに他のクルマが迫っているが見えてないの?それとも、そこは考えてないわけ?」と反論した。
また、終盤に向けてはサインツに対し、アルボンを前に出すよう指示があった。背景には、ミディアムタイヤを履いて後方から迫るアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)の存在があった。
これに対してサインツは、「ちょっと被害妄想じゃない? ハジャーはミディアムだし、僕らを抜けるわけないよ。どうしてもって言うなら譲るけど、今のペースなら余裕で引き離せると思う」と返答。ハジャーは1秒以内に迫りながらも追い抜くには至らず10位でフィニッシュ。アルボンはサインツのDRSの助けを借りて9位をキープした。
ハジャーのチームメイト、リアム・ローソンは11位でフィニッシュしたが、コース外に出て不当にアドバンテージを得たとして10秒ペナルティを受け12位に降格した。
ローソンに代わって11位に繰り上がったフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、レース中盤に“弟子”であるガブリエル・ボルトレート(ザウバー)との間でヒヤリとする場面を経験した。
ボルトレートはローソンに抜かれた直後、その背後から迫っていたアロンソの存在に気づかずに急なステアリング操作で進路を塞ぎ、結果的にアロンソを壁際に押しやる格好となった。レース後、マネージャーでありメンターでもあるアロンソへの謝罪は避けられないだろう。
LAP 26/50
That was a close one between Alonso and Bortoleto! 😲#F1 #SaudiArabianGP pic.twitter.com/X38GTf1Fdw
— Formula 1 (@F1) April 20, 2025
2025年F1第5戦 サウジアラビアGP 決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 50 | 1:21:06.758 | 25 |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 50 | +2.843s | 18 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 50 | +8.104s | 15 |
4 | 4 | ノリス | マクラーレン | 50 | +9.196s | 12 |
5 | 63 | ラッセル | メルセデス | 50 | +27.236s | 10 |
6 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 50 | +34.688s | 8 |
7 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 50 | +39.073s | 6 |
8 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 50 | +64.630s | 4 |
9 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 50 | +66.515s | 2 |
10 | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 50 | +67.091s | 1 |
11 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 50 | +75.917s | 0 |
12 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 50 | +78.451s | 0 |
13 | 87 | ベアマン | ハース | 50 | +79.194s | 0 |
14 | 31 | オコン | ハース | 50 | +99.723s | 0 |
15 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 49 | +1 lap | 0 |
16 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 49 | +1 lap | 0 |
17 | 7 | ドゥーハン | アルピーヌ | 49 | +1 lap | 0 |
18 | 5 | ボルトレート | ザウバー | 49 | +1 lap | 0 |
NC | 22 | 角田裕毅 | レッドブル | 1 | DNF | 0 |
NC | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 28℃ |
路面温度 | 38℃ |
周回数 | 50 |
セッション概要
グランプリ名 | F1サウジアラビアGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ジェッダ市街地コース |
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設立 | 2021年 |
全長 | 6175m |
コーナー数 | 27 |
周回方向 | 反時計回り |