角田裕毅、2026年タイヤ開発バルセロナテストへ─初日はハジャーとラッセルが周回

  • Published:

スペインGPが終了しても、すべてのF1ドライバーとチームメンバーがバルセロナを後にしたわけではない。ジョージ・ラッセル(メルセデス)とアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)は6月3日(火)、2026年仕様のタイヤ開発を目的としたピレリのテストに参加し、周回を重ねた。

今回のテストの目的は、2026年仕様のスリックタイヤに関する様々な構造とコンパウンドを比較評価することにある。タイヤへの負荷が大きいことで知られるカタロニア・サーキットにおいて、今回は特に硬めのコンパウンドに焦点が当てられた。

2026年仕様の新車両がまだ存在しない現状を踏まえ、チームは2024年型マシンをベースにしたミュールカーを用意。規則により、2026年型マシンのダウンフォースやスピード特性に合わせた改造が認められており、今回のテスト車両もタイヤサイズに合わせたサスペンション調整や空力面での改修が施されている。

2026年型の新タイヤは、現在と同じ18インチを維持しつつ、前輪は25mm、後輪は30mm、それぞれトレッド幅が縮小される。これは車体重量の軽減と空力抵抗の低減を目的としたもので、F1が推進するエネルギー効率と持続可能性への対応の一環だ。

2024年型メルセデス「W15」をベースとしたミュールカーでカタロニア・サーキットを周回するジョージ・ラッセル(メルセデス)、2025年6月3日ピレリの2026年タイヤ開発テストCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年型メルセデス「W15」をベースとしたミュールカーでカタロニア・サーキットを周回するジョージ・ラッセル(メルセデス)、2025年6月3日ピレリの2026年タイヤ開発テスト

テスト初日にラッセルは合計136周を走破し、実質的にレース2回分以上の距離を消化。ベストタイムは1分16秒920を記録した。これは先週土曜の予選でラッセルが記録したベストラップより5.072秒も遅い。一方のハジャーはさらに多い146周をこなし、最速タイムは1分18秒334だった。

4日(水)もテストは継続され、メルセデスからはアンドレア・キミ・アントネッリが参加予定。さらにレッドブル・レーシングも新たに加わり、角田裕毅がステアリングを握ることになっている。

ピレリのエンジニアとデータを見るアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年6月3日ピレリの2026年タイヤ開発テスト(カタロニア・サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリのエンジニアとデータを見るアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年6月3日ピレリの2026年タイヤ開発テスト(カタロニア・サーキット)

F1スペインGP特集