兄弟共演に試練の連続、ルクレール「夢の実現」のために”食中毒”に耐えるも追い打ちの降格処分で疲労困憊
シャルル・ルクレールは、実弟アーサーとの初の公式セッションが予定されていた2024年F1アブダビGPの初日前夜に食中毒に見舞われた。木曜の夜に他のF1ドライバー達と食事を共にした後、体調が悪化し、一睡もできなかったという。
FP2を終えてルクレールは「残念ながら、昨夜、食中毒になってしまい、一晩中、眠れなかったんだ」と語った。「すごく疲れていて、今は兎に角、眠りたい。本当に楽な一日じゃなかった」
それでもルクレールは、1回目のフリー走行を欠席しなかった。それは、弟のアーサー・ルクレールとともに走行するという特別な機会を逃したくなかったからだ。
「今朝の段階では、クルマに乗りたい気分じゃなかった」とルクレールは振り返る。
「でも、弟と一緒にFP1を走るという大きなモチベーションが僕にはあった。これは僕ら2人にとっても、モナコからわざわざ見に来てくれた家族にとっても、夢が叶う瞬間だった。感動的になってしまって、早めにヘルメットを被らなきゃならなかった」
だが、セッション開始直後にさらなる問題がルクレールを襲った。ES(バッテリー)に不具合が発覚し、交換が必要となったのだ。これによりルクレールには10グリッド降格ペナルティが科せられた。
「エンジンをかけた途端、エネルギーストアに問題があることが分かったんだ」とルクレールは説明する。
「いろんなことが頭を駆け巡った。弟とこのFP1を走れるのだろうか。そしてもちろん、チャンピオンシップ争いのことも頭に浮かんだ。結果、今週末の僕らはかなり厳しい状況に置かれた」
フェラーリがコンストラクターズタイトルを勝ち取るためには、マクラーレンとの21ポイント差を逆転しなければならない。10グリッド降格はあまりに大きな痛手だ。
「それでも、僕のやる気は全く削がれていない」とルクレールは力強く語り、2日目に向けては「バッテリーを完全に充電して戻ってくるつもりだ」と冗談を交えた。
「言葉遊びをしているわけじゃないよ!明日、素晴らしい一日を過ごして、日曜に見事な巻き返しができることを期待している」とルクレールは締め括った。
アーサー・ルクレールは初の週末走行でフェラーリSF-24を駆り、トップタイムを刻んだ兄から1.858秒遅れの18番手を記録した。兄弟2人がF1史上初めて同じチームで公式セッションを走行した歴史的瞬間だった。
2024年F1アブダビGPの初日2回目のフリー走行は、ランド・ノリスがトップタイムを記録。僚友オスカー・ピアストリが2番手に続き、マクラーレンがタイムシートのトップを独占する形となった。
FP3は日本時間12月7日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。