ホーナー、”痛烈な皮肉”でウォルフに応酬「キャンキャン吠えるテリア犬」扱いを受け―フェルスタッペン/ラッセル騒動が飛び火
シーズン最終戦のF1アブダビGPを前に、グリッド随一の犬猿の仲として知られるメルセデスのトト・ウォルフ代表とレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表の間でまたも火花が散った。
ウォルフから「キャンキャン吠える小さなテリア犬」と揶揄されたことを受け、ホーナーはこれを一笑に付し、テリアの忠実さや勇敢さを称える皮肉を交えた痛烈な応酬を展開した。
チーム代表者同士の今回の論争は、前戦カタールGPでポールポジションが剥奪されるに至ったマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの舌戦が飛び火した形で勃発した。
フェルスタッペンに科されたグリッド降格ペナルティについてホーナーが「ジョージの振る舞いによるところが大きいと思う。今週末の彼は酷くヒステリックだ」と発言したことを受け、ウォルフはホーナーをテリアに喩えて揶揄した。
ウォルフの発言についてホーナーは「私はテリアが大好きだ。素晴らしい犬だと思う! これまで4匹飼ってきたしね」と一笑に付し、F1界のかつての大物2人(一人はアルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーとして復帰したが)を思い起こさせる名前が付けられた自身の飼い犬の話を喋り始めた。
「テリアの王様とも呼ばれるエアデール・テリアを2匹と、ウエスト・ハイランド・テリアを2匹ね。バーニーとフラビオという名前だったんだ」
「テリアの良いところは、ものすごく忠実なところだ。バーニーは攻撃的な性格で、誰にでも食って掛かるタイプだった。一方でフラビオは、もう少し落ち着きがあった。食べ過ぎだっただけかもしれないがね」
ホーナーはさらに、「でも、テリアと呼ばれるのはそんなに悪いことだろうか? テリアは自分より大きな犬に立ち向かうことを恐れない」と続け、ウォルフの名字をからかうように「個人的にはウルフ(狼)よりはテリアの方がいいね」と皮肉った。
また、「トトには、私を嫌うのが好きなところがあるようだ。愛憎関係のようなものだと思うが、そういうこともある」とした上で、今週末がメルセデスでのラストレースを迎えるハミルトンに言及し、「ルイスにとっての最後のレースなのだから、彼には他にやるべきことがあるだろう。他のことに目を向けるより、そちらに集中すべきだと思う」と付け加えた。
ラッセルは、ペナルティによりポールポジションが剥奪されたフェルスタッペンから「お前の頭を壁に叩きつけてやる」と脅されたと主張した。この発言が事実であれば、更なる調査が行われる可能性もあるが、これについてフェルスタッペンは、「でっち上げだ」とラッセルを非難した。
ホーナーは、「マックスは事実しか話さない。だから彼の言葉は100%正しいと信じている」として、週末そのものに影響する可能性を除外し、「もちろん、スチュワード・ルームには他にも人がいた。彼らも(ラッセルが取った)あのやり方には本当に驚いたと報告している」とも語った。