新型ウイング「ここで役立つものでは…」と角田裕毅、FP1欠場のビハインドも入賞視野の好走…RB幹部の期待誘う
2024年F1アブダビGPの初日に角田裕毅(RB)は、FP1を岩佐歩夢に譲り60分間の走行時間を失ったものの、FP2では僚友リアム・ローソンを0.006秒差で上回る10番手タイムを記録し、ポイント獲得への期待を抱かせた。
今週末、チームは2025年を見据えて開発された新型フロントウイングを2セット持ち込んだ。これは新しいノーズ構造を伴うもので、コーナリング時のバランス改善を主な目的としており、クラッシュテストを再実施した上で前倒し投入した。
ヤス・マリーナ・サーキットにアップグレードを持ち込んだのは、RBの他にはザウバーのみで、スイス・ヒンウィルのチームはC44に改良型フロアとリアブレーキ・ダクトを投入した。
スポーティング・ディレクターのアラン・パーメインによると、RBはFP1でローソンのクルマを使って新型ウイングのテストを行った。これはFP2に向けて従来仕様のスペックに戻された。
新型ウイングについて角田裕毅は「幾つか試したものはありますが、実際にはアップグレードというより、どちらかというと来年を見据えたもので、おそらくここで役に立つものではありません」と説明した。
パーメインは「明日の予選でどちらのウイングを使うかは今夜決定する」としており、現時点では明確なアドバンテージが得られる確証がないようだが、それでもVCARB 01はFP2で2台揃ってトップ10に接近した。競争力の背景には何があるのか?
角田裕毅は「パッケージ的に、ここはカタールよりも僅かにパフォーマンスが引き出せているのだと思います。現時点ですでに、少し良い状態にあると思います」と説明した。
一方で、10番手の角田裕毅から17番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)までのギャップはわずかコンマ1秒と、今週末もミッドフィールドは大接戦が予想される。
角田裕毅は慢心することなく、「ここ数シーズンと比較すると、僕らのライバルもかなり速そうなので、すべてを完璧にまとめる必要があるのは間違いないですし、差は本当にわずかなので、百秒の数秒が重要になると思います」と語った。
「この手の僅差だと何が起きてもおかしくありません。できるなら、Q3に向けて少しでも余裕を持てる状態にしておきたいので、もう少し、微調整が必要だと思います」
「当初の計画通り、FP1を欠場したことを踏まえれば悪くなかったと思いますし、解決すべき点がたくさんあるとは言え、かなりスムーズだったと言えると思います」
ロングランペースについては、「そうですね、、まずまずだと思います。ただ、タイヤ的に楽ではなさそうなので、クルマのバランスやセットアップという点で、もっと上手くやれる点がたくさんあると思います」と語った。
「あとは、スティントを通してクルマのバランスがどう変化するのかを探るために、ダーティーエアーの中で走行しました」
「必要なデータは集まっていますし、FP3やレースに向けて何をすべきかは明確なので、この状態に持ってこれたことが何よりの収穫です」
パーメインは角田裕毅がFP1を欠場したことに触れ、「間違いなくもっとタイムを縮めてくれるだろう」と期待を寄せ、「全体として、週末の滑り出しとしては上々だ」と付け加えた。
2024年F1アブダビGPの初日2回目のフリー走行は、ランド・ノリスがトップタイムを記録。僚友オスカー・ピアストリが2番手に続き、マクラーレンがタイムシートのトップを独占する形となった。
FP3は日本時間12月7日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。