ヤス・マリーナ・サーキットでマクラーレンMCL38をドライブするランド・ノリス、2024年12月6日 F1アブダビGP FP2
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マクラーレン、ルクレール脱帽の速さで1-2!角田裕毅はFP1欠場もローソン抑えるTOP10 / F1アブダビGP 2024《FP2》結果と詳報

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2024年F1アブダビGPの2回目のフリー走行(FP2)が12月6日に開催され、1998年以来となるコンストラクターズタイトル獲得に迫るマクラーレンがタイムシートのトップを独占した。3番手にはハースのニコ・ヒュルケンベルグが入り、驚きを呼んだ。

ランド・ノリスは1分23秒517の全体ベストタイムを記録し、セッションをリード。僚友オスカー・ピアストリが0.234秒差で2番手に続き、マクラーレンが圧倒的な速さを見せた。

MCL38の競争力はシングルラップにとどまらず、ロングランでも優位性を発揮した。ピアストリのロングランペースについて無線で情報を受けたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、「それはかなり速い」と驚きを隠せなかった。ペース差は約0.8秒だった。

マクラーレンとタイトルを争うフェラーリは、FP1ではリードしたものの、予選や決勝のコンディションにより近いFP2では失速。マクラーレンとの差が鮮明になった。

カルロス・サインツは4番手タイムを記録したものの、ノリスとの差は0.582秒に達し、大きな開きが生じた。サインツは僚友ルクレールの10グリッド降格ペナルティをカバーする役割を担うが、厳しい戦いが予想される。

一方のルクレールは、トラフィックやセットアップの課題に悩まされ、6番手にとどまった。中団以降のグリッドからのスタートが見込まれるため、フェラーリはレースでのオーバーテイクを重視したセットアップを検討する可能性がある。

日没が近づき路面温度が約10℃低下したFP2でも、ハースVF-24のパフォーマンスは衰えを見せなかった。ニコ・ヒュルケンベルグは3番手を記録し、フェラーリやメルセデスを上回る健闘を見せた。今週末がラストレースとなるケビン・マグヌッセンも8番手に入り、チーム全体としての競争力を示した。コンストラクターズ選手権6位の争いは混沌としており、ハースの強さが結果を大きく左右する可能性が高まっている。

ハースに5ポイント差をつけ現在6位に立つアルピーヌは、やや苦戦。ピエール・ガスリーの12番手がチーム最上位となった。デビュー戦を迎えるジャック・ドゥーハンは19番手と、チームメイトのガスリーから0.7秒遅れる結果となったものの、初めての週末としては順調な適応ぶりを見せた。

レッドブル勢はバランスの問題に苦しみ、上位争いから大きく後退した。セルジオ・ペレスは14番手、FP1でアイザック・ハジャーにマシンを貸して走行時間が限られたマックス・フェルスタッペンは17番手に沈んだ。

ヤス・マリーナ・サーキットでVCARB 01をドライブする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年12月6日 F1アブダビGP FP2Courtesy Of Red Bull Content Pool

ヤス・マリーナ・サーキットでVCARB 01をドライブする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年12月6日 F1アブダビGP FP2

RB勢は、FP1で岩佐歩夢にマシンを預けた角田裕毅が安定した走行を見せ、僚友リアム・ローソンをわずか0.006秒差で11番手に抑え、10番手タイムを記録。ポイント獲得への期待を抱かせる堅実な走りを見せた。

RBは今週末にアップグレードを持ち込んだザウバーと並ぶ唯一のチームで、パフォーマンス向上とコーナリング時のバランス改善を狙った2025年向けの新型フロントウイングを前倒し投入した。これには新しいノーズ構造が必要であったため、チームは再度、クラッシュテストを受けた。

フロアとリアブレーキ・ダクトを改良したザウバーは、バルテリ・ボッタスがマグヌッセンを抑え、中団最上位となる7番手タイムをマークした。周冠宇は15番手につけた。

ウィリアムズはトラブルに見舞われ大幅に走行時間を失った。フランコ・コラピントはターン8の縁石によりマシンにダメージを負い、早い段階でガレージに戻る事態となった。一方、アレックス・アルボンは駆動系のトラブルに苦しみながらも、終盤にはコースに復帰し、9番手タイムを記録した。


3回目のフリー走行は、日本時間12月7日(土)19時30分から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第24戦アブダビGPフリー走行2(FP2)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:23.517 24
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:23.751 +0.234 27
3 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:23.979 +0.462 27
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:24.099 +0.582 27
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:24.119 +0.602 27
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:24.201 +0.684 27
7 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 1:24.230 +0.713 23
8 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:24.235 +0.718 24
9 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:24.269 +0.752 21
10 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 1:24.497 +0.980 27
11 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 1:24.503 +0.986 24
12 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:24.517 +1.000 26
13 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:24.534 +1.017 23
14 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:24.555 +1.038 26
15 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 1:24.557 +1.040 22
16 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:24.574 +1.057 24
17 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:24.598 +1.081 25
18 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:24.686 +1.169 28
19 61 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 1:24.961 +1.444 26
20 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 1:25.265 +1.748 10

コンディション

天気晴れ
気温26℃
路面温度31℃

セッション概要

グランプリ名 F1アブダビGP
セッション種別 フリー走行2
セッション開始日時

サーキット

名称 ヤス・マリーナ・サーキット
設立 2009年
全長 5281m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1アブダビGP特集