予選を経て検討を称え合うマクラーレンのランド・ノリス(ポールポジション)とオスカー・ピアストリ(2番手)、2024年12月7日F1アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)
Courtesy Of McLaren

マクラーレン、最前列独占で26年ぶり王座に王手…角田 Q3逃すも対ローソン全勝締め / F1アブダビGP 2024《予選》結果と詳報

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2024年のFIA-F1世界選手権最終第24戦アブダビGPの予選が12月7日(土)に行われ、ランド・ノリスが今季8回目のポールポジションを獲得した。0.2秒遅れの2番手にはオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンが26年ぶりのコンストラクターズ選手権タイトルに向けて完璧な結果を残した。

ライバルのフェラーリは、カルロス・サインツがピアストリに0.02秒差の3番手につけた一方、シャルル・ルクレールはQ1をトップで通過しながらも、ターン1のトラックリミットによりベストタイムが抹消され、14番手で衝撃のQ2敗退を喫した。

トラブルにより予定外のES(バッテリー)投入を強いられたため、ルクレールは10グリッド降格ペナルティを受ける予定で、日曜のレースでは19番グリッドからスタートする見通しだ。

2024年シーズン最後の予選は、各チームの実力が僅差であることを象徴する結果となり、トップ10には8つの異なるチームが名を連ねた。レッドブルとマクラーレンの2台ずつが安定した速さでQ3に駒を進めたほか、フェラーリ、メルセデス、アストンマーチン、ザウバー、アルピーヌも各1台を送り込んだ。ただ、中でも一際輝きを放ったのはハースのニコ・ヒュルケンベルグだった。

ハースでの最後の予選となったヒュルケンベルグは、見事なパフォーマンスを披露し、最前列にわずか0.082秒差の4番手タイムを記録した。だが、ピット出口路で2台を追い越したとして予選後に3グリッド降格ペナルティの裁定が下された。一方、同じくこの週末を最後にハースを去るケビン・マグヌッセンは15番手に終わった。

好調続きのピエール・ガスリーは6番手を記録したが、アルピーヌでの初陣を迎えるジャック・ドゥーハンは20番手最下位に終わった。Q1での両者のタイム差は0.557秒と大きく開いた。

ヒュルケンベルグとは異なる意味で衝撃的だったのは、メルセデスでの最後のレースを迎えるルイス・ハミルトンのQ1敗退だった。

Q1では、後方から迫るハミルトンに道を譲るためにマグヌッセンがコースのイン側に移動した際、ボラード(コース外侵入を防ぐポール状の障害物)に接触するトラブルが発生した。この衝撃でボラードは路面から外れ、コース側へ転がり出た。

そのタイミングでコーナーを通過したハミルトンは、不運にもフロアにボラードを引っ掛けることとなり、その状態でフライングラップを走行せざるを得なくなった。この影響でラップは大きく妨げられ、最終的に18番手に沈んだ。メルセデスのチームメイト、ジョージ・ラッセルは7番グリッドを持ち帰った。

2度に渡ってトラックリミット判定が覆されるという非常に稀なケースも発生した。

セルジオ・ペレス(レッドブル)はQ1で、ピアストリはQ3で、各々、一旦はターン1で走路外に飛び出したと判断されたが、後に撤回され、抹消されたタイムが元に戻された。ペレスは最終的にQ3に進出し、10番手でクルマを降りた。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のアブダビGPでの5年連続ポール・トゥ・ウィンという歴史的偉業の可能性は、予選Q3で潰えた。フェルスタッペンは最初のラップの最終コーナーで酷いオーバーステアに見舞われ、壁に衝突しかける危険な場面がありながらも、暫定ポールに立った。しかし、その後の最終アタックラップでは自己ベストを更新できず、結果として5番手に甘んじる形となった。

RB勢は、角田裕毅が0.04秒という僅差でバルテリ・ボッタス(ザウバー)に蹴落とされ、11番手で惜しくもQ3進出を逃した。ただ、僚友リアム・ローソンに対しては0.053秒差をつけ、12番手に抑え込む結果を残した。これにより角田裕毅は、今シーズンすべての予選でローソンを上回る強さを示し、チーム内での優位性を維持した。

ボッタスは、F1キャリアの最後の予選となる可能性があるこの日の予選で見事、9番手タイムを記録した。一方、チームメイトの周冠宇は17番手でQ1敗退を喫し、ボッタスとの明暗が分かれる形となった。

アストンマーチンもまた、チーム内で明暗が分かれたチームの一つだった。フェルナンド・アロンソは見事Q3に進出し、8番手タイムを記録したが、チームメイトのランス・ストロールは13番手でQ2敗退と、対照的な結果に終わった。

ギアボックス交換により各々、5グリッド降格が決定しているウィリアムズ勢は、アレックス・アルボンがQ2に0.027秒及ばす16番手、フランコ・コラピントが19番手と、ダブルQ1敗退に終わった。Q1は、トップ通過のルクレールから15番手アロンソまでが0.492秒という熾烈な接戦となった。


決勝レースは日本時間12月8日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第24戦アブダビGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:23.682 1:23.098 1:22.595 16
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:23.640 1:23.199 1:22.804 16
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:23.487 1:22.985 1:22.824 16
4 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:23.722 1:23.040 1:22.886 17
5 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:23.516 1:22.998 1:22.945 15
6 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:23.548 1:23.086 1:22.984 18
7 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:23.678 1:23.283 1:23.132 19
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:23.794 1:23.268 1:23.196 19
9 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 1:23.481 1:23.341 1:23.204 15
10 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:23.559 1:23.379 1:23.264 18
11 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 1:23.735 1:23.419 12
12 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 1:23.733 1:23.472 12
13 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:23.729 1:23.784 14
14 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:23.302 1:23.833 12
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:23.632 1:23.877 11
16 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:23.821 6
17 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 1:23.880 6
18 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:23.887 7
19 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 1:23.912 6
20 61 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 1:24.105 6

コンディション

天気晴れ
気温26℃
路面温度30℃

セッション概要

グランプリ名 F1アブダビGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ヤス・マリーナ・サーキット
設立 2009年
全長 5281m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

F1アブダビGP特集