フェルスタッペン「RB20の特性」に翻弄された今季最終予選、派手なスライドの内幕と決勝の見通し
2024年F1アブダビGPの予選Q3で、最終ターン16を通過する際に派手なスライドを見せたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、RB20の特性を「如実に表す出来事」だったと振り返り、その内容を詳しく説明した。
低ドラッグ仕様のリアウイングを搭載したレッドブルRB20は、強い風が吹き付けた土曜のヤス・マリーナ・サーキットで時折、見事なパフォーマンスを発揮したが、そのマシンバランスはある種の綱渡り状態にあった。
Q3最初のラップでフェルスタッペンは、最終コーナーで派手にリアを滑らせながらも、アクセルを全開にしたままでクルマを抑え込み、暫定ポールを獲得した。
だが、最後のアタックでは挙動がさらに不安定になり、無線を通して「クルマが兎に角、超敏感だ。少しでもステアリング操作が早いと、場所を構わずスナップしてしまう」と訴えた。
結果、自己ベストを改善できず、アブダビGPでの5年連続ポール・トゥ・ウィンという歴史的偉業の可能性は潰えてしまい、マクラーレン勢とカルロス・サインツ(フェラーリ)に加えてニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にも追い抜かれ、最終5番手に終わった。
「最終コーナーでスピンしなかったとしても、2番手争いができたかな、という程度で、F1にタラレバはないし、あれは今シーズンの僕らのクルマの特性を如実に表すものだったと思う」とフェルスタッペンは振り返った。
「クルマをうまく機能させるのが本当に難しいんだ。うまくいけば速いけど、今日は全体的なバランスに満足できなかった。そんな状態で限界まで攻めようとすると、クルマが酷くピーキーになってしまい、今日みたいなことになるんだ」
最終コーナーでの派手なスライドについては、「見た目はいいけど、タイムは縮まらない」と笑い、「でも、そういう状況だから、それをなんとかするしかないんだ」と続けた。
レースに向けた見通しについては「少なくとも前のニコ(ヒュルケンベルグ)と戦えればと思ってる。通常なら抜けるはずだけど、彼ら(ハース)は週末を通して本当に速い」と語った。
「上手くいってもせいぜいフェラーリとやり合う程度だと思う。マクラーレンは週末を通して一貫しているから、彼らを打ち負かすのはかなり難しいだろうね」
予選を終えた心境について問われたフェルスタッペンは「どう感じるかって?ある意味ホッとしているよ。今年最後の予選だからね!」と笑顔を見せた。
ピット規定違反に伴いヒュルケンベルグに3グリッド降格ペナルティが科されたため、フェルスタッペンは日曜のレースを、カルロス・サインツ(フェラーリ)と並ぶ2列目4番グリッドからスタートする。
2024年F1アブダビGP予選では、ランド・ノリスがポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。
決勝レースは日本時間12月8日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。