F1レギュレーション解説「決勝レース編」
F1レギュレーションの中から、決勝レースに関連する主だったルールを厳選しその要点を以下にまとめる。
レコノサンスラップに関するルール
- フォーメーションラップ開始30分前にピット出口がオープンに。マシンはレコノサンスラップ走行のためにピットレーンを離れることが許可される。
- 複数回のレコノサンスラップを実施する場合、各ラップ間ではピットレーンを大幅に減速して走行すること
- レコノサンスラップを完走していないマシンは、グリッドからレースを開始することはできない
フォーメーションラップまでの流れに関するルール
- フォーメーションラップ開始17分前に、その2分後にピットレーン閉鎖が行われること警告信号によって通知する
- フォーメーションラップ開始15分前に、ピットレーンが閉鎖され二度目の警告信号が発せられる
- フォーメーションラップでグリッドを離れる時は、ポールポジションラインを通過するまではピットレーン制限速度で走行すること
- フォーメーションラップ開始の10分前、5分前、3分前、1分前、15秒前に信号が表示される
- 10分前の信号が表示されたら、ドライバー、オフィシャル、チームの技術スタッフ以外のすべての人間はグリッドを離れること
- 3分前の信号が表示される前に、グリッドのすべてのマシンにはホイールが取り付けられていること。ホイールが装着されていないマシンのドライバーにはペナルティ
- 1分前の信号が表示されたら、エンジンを始動しチームのすべての要員がグリッドを離れること
- 15秒前の信号が表示された時に、チーム人員または機器がグリッド上に残っている場合、関係するマシンのドライバーはピットレーンスタートとなる
- フォーメーションラップでのスタート練習は禁止
- すべてのマシンがスターティンググリッドに着いた後5つの赤いライトが1秒間隔で順番に点灯される。このライトの消灯がレーススタートの合図となる。
トラブルが発生した場合のルール
- レコノサンスラップを完走できない場合、自力でピットレーン出口に着けることができればそこからレースをスタートすることができる。複数車両が該当する場合は認定された順番でスタートを行う。二度目の警告信号の5分後以降にピットレーン出口に着けたマシンは、ピット出口最後尾からスタートしなければならない。
- ピットレーンからスタートするマシンは、グリッドからスタートした全てのマシンがピットレーン終点を通過した後に、レースに参加することができる
- 前車が極度に遅い場合にのみ、フォーメーションラップ中の追越しが許可される。追い越されたドライバーは追い抜いたマシンを追い抜き返すことができれば追い抜き返して良い
- スターティンググリッドに着いた後に何らかの問題が発生した場合ドライバーは腕を上げ通知すること。スタートは中止され、再度フォーメーションラップを行うが、この周回はレース周回数にカウントされる。
- 再フォーメーションラップの原因となったドライバーはピットレーンからレースを開始しなければならない
- レース開始3分前に雨が降り始めた場合はアボート・ライトが点灯し、チームが適切なタイヤに変更できるよう開始手順が10分前の状態に戻る
- 著しく天候が悪い場合はレースディレクターがレーススタートを中止し、条件が改善した場合にのみ開始手順を再開することがある。あるいはセーフティーカー主導でレースをスタートさせ、その後トラックの安全が確認された段階で、通常のスタンディング・スタートによりレースを開始することもある。
手短に2022年のF1レギュレーションを知りたい方は「2022年F1ルール主要変更点のまとめ」を、より詳しくルールの全体像を知りたい方は「F1ルール完全網羅版」を参照されたい。