F1、シュートアウト導入の新スプリントルールを発表…タイヤ制限・罰則適用・フォーマット
今週末の第4戦アゼルバイジャンGP(4月28~30日)で今季初開催を迎えるF1スプリントのフォーマットが正式に改定された。2023年に計6回計画されている100kmの短距離レースは、決勝から切り離された独立イベントとして執り行われる。
F1スプリントの形式変更は4月25日(火)のF1コミッションにおいて満場一致で可決された。これはプラクティスの削減を通して「危険性」を増やし、スプリントに対するドライバーのインセンティブを高めようとの狙いのもと、競技諮問委員会および利害関係者からの勧告に基づき投票にかけられたものだ。
新スプリント・フォーマット
F1スプリントは過去2シーズンに渡って決勝レース用のグリッド決定戦という位置付けであったが、今後は独立したもう一つの別のレースとして行われる。
そのためスプリントと決勝に向けて各々、別個の予選が行われる事になり、土曜のFP2は削除された。
曜日 | セッション | |
1回目 | 2回目 | |
金曜 | フリー走行1 | グランプリ予選 |
---|---|---|
土曜 | スプリント予選 (スプリント・シュートアウト) |
スプリント |
日曜 | グランプリ |
ポイント配分の変更はなく、従来どおり上位8名に対して「8-7-6-5-4-3-2-1」の得点が与えられる。
時間短縮、指定タイヤの「スプリント・シュートアウト」
イベント初日はフリー走行1に続いて日曜の決勝レースに向けた予選が行われる。これは従来通り、Q1~Q3までの3ラウンド制のノックダウン方式だ。
2日目には100kmのスプリントレースに先立ち「スプリント・シュートアウト」と呼ばれるスプリント用の予選(SQ)が3ラウンド形式で行われる。
各ラウンドの脱落数は従来の予選と変わりないが、以下のように時間は短縮され、装着コンパウンドも制限される。
ラウンド | 時間 | タイヤ |
SQ1 | 12分間 | ミディアム |
SQ2 | 10分間 | ミディアム |
SQ3 | 8分間 | ソフト |
時間短縮によって各ラウンドにおける計測ラップのチャンスは従来より少なくなる。特にQ3は1アタックのみとなる可能性が高まり、スリリングな戦いが期待される。
ペナルティ適用
スプリントが採用される週末におけるペナルティは以下のように適用される。
- FP1または予選で発生したグリッドペナルティは決勝で適用
- シュートアウトで発生したグリッドペナルティはスプリントで適用
- スプリントで発生したグリッドペナルティは決勝で適用
- パルクフェルメ違反はスプリントとレースでピットレーンスタート
- PUペナルティはレースのみに適用(パルクフェルメ違反の場合を除く)
この新しい試みは第4戦アゼルバイジャンGPを皮切りに、オーストリアGP、ベルギーGP、カタールGP、アメリカGP、そしてサンパウロGPの6回で採用される。