F1は2023年に計6回のスプリントを計画しているが、従来とは異なり決勝レースのスターティング・グリッドに結びつかない独立したフォーマットへの変更を検討しているようだ。
3ラウンド制の予選方式に代わる形で2021年のイギリスGPで史上初めて導入されたF1スプリントは、100kmの短距離レースによって決勝レースのグリッドを決定する仕組みだ。
F1と国際自動車連盟(FIA)はファンから好評を得ているとして、導入3シーズン目となる2023年に年3回から6回へとスプリントの開催数を増やす事を決定した。
ただその一方で一部のドライバーからは、決勝でのスターティンググリッドに影響する以上、不必要なリスクは冒せず、単調なレースになりがちだとの批判的の声も挙がっている。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は今季最後のスプリントが行われるサンパウロGPを前に「得られるポイントは少なく、リスクを冒す事はできないし、ピットストップがないから誰もが長い距離を走れるタイヤを履きがちで、オーバーテイクはあまり見られない」と否定的な見解を口にした。
伝えられるところによるとF1は2023年に向けて、FIA-F2選手権やF3のようにスプリントを決勝レースのグリッドと切り離した独立したセッションとして開催する方向で検討を進めているという。
フェルスタッペンがスプリントを毎回、本気で戦っていないと口にした事についてケビン・マグヌッセン(ハース)は「それはさぞかし退屈だろうね!」と笑い、次のように続けた。
「マックスは、日曜のポジションを決める場であるためスプリントでリスクを負いたくなくなるという良い点を指摘したと思う」
「だからそれを分けるのが一つの良い解決策になるかもね。レースをするようドライバーに働きかける事につながるかもしれない」
分離方式についてフェルスタッペンは「考えた事がなかった」とした上で「ひょっとするとそれによってもう少しエキサイティングになるかもね」と前向きな見解を示した。
否定的な声があるのは事実だが、ドライバー達は必ずしもスプリントを全面的に否定しているわけではない。
フェルスタッペンは「プラクティス1回のみで、そのまま予選をやるのは好きなんだ」と述べ、マグヌッセンも「プラクティスが3回あるのはかなり多い気がする」としてフェルスタッペンに同意した。
エミリア・ロマーニャGPとオーストリアGPで行われた今季これまでの2回に渡るスプリントではいずれもフェルスタッペンがトップチェッカーを受けている。