
フェルスタッペン「去就に影響なし」―”第2の家族”ホーナー解任、ベルギーGPを前に衝撃人事に初言及
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、クリスチャン・ホーナーのチーム代表解任という衝撃的人事後、初めて公の場に姿を現し、自身の去就には「全く影響しない」と明言した。
4度のF1ワールドチャンピオンは現在、2028年末までレッドブルと長期契約を結んでいるが、特定の条件下で契約を解除できる「特別条項」が存在が明らかとなっており、2026年シーズンに向けたメルセデス移籍の可能性が取り沙汰されている。
ホーナーの解任理由は明かされておらず、フェルスタッペンの父ヨスとホーナーの確執を背景に、フェルスタッペン残留に向けた方策との見方や、フェルスタッペンは既に移籍を決断しており、その責任を取らせたという憶測も浮上している。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選開始を待ちながらガレージで談笑するレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表とマックス・フェルスタッペン、ヨス・フェルスタッペン、2024年11月2日(土) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)
だが、フェルスタッペンは第13戦ベルギーGPの開幕を翌日に控えたスパで、ホーナーの解任は今後のキャリア決断に「全く影響しない」と断言。「重要なのは、今あるクルマの競争力をできるだけ高めることだ」と述べ、当面の焦点が結果にあることを強調した。
2026年を前にレッドブルを離れる可能性については、「明日、目が覚めない可能性だってあるわけで、人生というのは予測不可能なものなんだ。ただ、基本的には今の環境にすごく満足しているし、契約を延長したときの目標、つまり『キャリアの最後までここで走る』というのは今も変わっていない」と語った。
また、ホーナーの解任については、正式発表の半日前にレッドブルGmbHの株主から直接知らされたと明かし、「自分の意見は彼らに伝えたけど、それは自分の中にとどめておく」と述べた。解任の理由については「最終的には、マネジメントと株主が変化を求めたということだと思う」と述べた。
ホーナーとは解任後に連絡を取り合っており、「話せてよかった」としたが、解任が正しかったかどうかについては「時間が経てば分かるだろう」と述べるにとどめ、ホーナーとの関係性については「今後も変わらない」と語り、自身にとっては「今でも第2の家族のような存在」と表現した。
ホーナーの後任ローラン・メキーズについては、「まず何よりも、彼は本当にいい人で、すごく頭が切れる。F1パドックの様々な分野で経験を積んできたことがチームの役に立つはずだ。モチベーションもすごく高くて、その情熱が見て取れる。そこが気に入っている」と高く評価した。
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メディアデーの記者会見で発言するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年7月24日(木) F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
フェルスタッペンの契約解除条項は詳細こそ明かされていないものの、8月3日のハンガリーGP終了時点でドライバーズランキングが4位以下となった場合に発動条件を満たすと見られている。現在、フェルスタッペンはランキング3位につけており、4位ジョージ・ラッセルとの差は18ポイント。条件を満たすかどうかは、微妙な状況にある。
もし条項が発動されない場合、メルセデスがフェルスタッペンを2026年に起用するには、年俸70億円超とも言われる契約の買い取りが必要となるため、現実的には非常に高いハードルが存在する。
また、ベルギーGPまでのオフ期間中にメルセデスのトト・ウォルフ代表と同じ時期にイタリア・イビサ島で休暇を取っていたことから、両者の接触を巡る憶測も広がっていたが、フェルスタッペンは「そのとき僕は海で泳いでいた」と一蹴。偶然同じ場所にいたに過ぎないと強調した。