別れの夏…メキーズ離脱に揺れるブルズ:ショックを受けるハジャー、前向きに評価するローソン

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ローラン・メキーズのレーシング・ブルズ離脱について、アイザック・ハジャーは今なお失望の思いから抜け出せずにいるが、リアム・ローソンはレッドブル・レーシングにとって「絶好の機会」だと前向きに評価している。

2024年よりレーシング・ブルズのチーム代表を務めていたメキーズは、第13戦ベルギーGPを前に、クリスチャン・ホーナーの後任としてレッドブル・レーシングのチーム代表に即時就任した。

ハジャー、別れにショック

故エディ・ジョーダンの追悼式典前に言葉を交わすアイザック・ハジャーとローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年3月23日(日) F1中国GP決勝(上海インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

故エディ・ジョーダンの追悼式典前に言葉を交わすアイザック・ハジャーとローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年3月23日(日) F1中国GP決勝(上海インターナショナル・サーキット)

メキーズの指揮下で今季F1デビューを果たしたハジャーは、その離脱の報に大きな衝撃を受けた。

スパ・フランコルシャンでハジャーは、「シミュレーターに乗っていた時に発表を聞いたんだ。彼とは本当に良い関係を築けていたから、知らせを聞いたときは正直、本当にショックだった」と胸の内を明かした。

「今でもガッカリしている。彼は誰からも高く評価されていたし、チーム全体にとっても損失だと思う。それでも、彼の新しい挑戦を心から応援している」

またハジャーは、メキーズについて「パフォーマンス志向がかなり強く、エンジニア出身らしく発言の一つひとつが本当に的確だった。それに僕にとっては本当に身近な存在だった。F1に入るまで、チーム代表がこれほどまでに近い存在だとは思っていなかった」と述べ、その存在感を強調し、喪失感を滲ませた。

一方で、自身がレッドブルに昇格した暁には、再びメキーズと共に仕事に取り組むことになる。

ハジャーは「そうなれば、馴染ある環境でやれるという点で、僕にとって役立つのは確かだ」と認めつつ、「まだ12戦残っているし、引き続き頑張らないと。最後のレース結果が全てだからね」と付け加えた。

レッドブルにとって好機、とローソン

メディアデーのためにパドック入りしたリアム・ローソンとローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年6月26日(木) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

メディアデーのためにパドック入りしたリアム・ローソンとローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、2025年6月26日(木) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)

一方のローソンは、メキーズをホーナーの後任に据えたレッドブルGmbHの決定を全面的に支持しており、その加入はレッドブルにとって「絶好の機会」だと歓迎する姿勢を示した。

メキーズについてローソンは「本当に思いやりのある人だし、本当に素晴らしい人なんだ」と評価。「彼と一緒に仕事ができて光栄だったし、いつかまた一緒に働けたらと思ってる」と語った。

また、「レッドブルにとって、ローランの加入は絶好の機会だと思う」とも語り、メキーズの新たな門出を祝福。「彼はきっとうまくやると思う」とエールを送った。

メキーズの昇格に伴い、レーシング・ブルズのチーム代表には元レーシング・ディレクターのアラン・パーメインが就任した。パーメインは長年にわたり英国エンストンを本拠とするF1チームで要職を歴任。2024年1月にレーシング・ブルズに加わった。

人望の厚いメキーズの離脱はチームに大きな影響を与える可能性もあるが、ローソンはそうした心配は無用だと考えている。

パーメインのチーム代表就任についてローソンは、「アランはもう2年ほどチームにいるし、僕らにとっては完璧な人選だと思う。僕自身としては特に何も変わらないと思っているし、楽しみにしている」と前向きに語った。

メキーズ新体制のもとでレッドブルがどのような一歩を踏み出すのか、大きな注目が集まっている。

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