ウィリアムズF1、技術トップのみならず空力責任者までをも欠いたまま2023年シーズンへ
ウィリアムズ・レーシングはテクニカル・ディレクターと空力部門の責任者が共に不在という状況のまま、2023年FIA-F1世界選手権の開幕を迎える事になりそうだ。移籍早々、ジェームズ・ヴァウルズ代表は大きな課題に直面する。
コンストラクターズ選手権最下位に転落した昨シーズンの閉幕を経てウィリアムズは昨年12月、CEO兼チーム代表のヨースト・カピートと、”FX”ことフランソワ=グザビエ・ドゥメゾンの同時退社を発表した。
ただそればかりではなく、空力部門の責任者を務めていたデビッド・ウィーターも時を同じくしてチームを去っていた事が明らかとなった。
カピートの役割は元メルセデス戦略チーフ、ヴァウルズに引き継がれる事となったが、技術系上級職2名の穴は2023年の開幕バーレーンGPを1週間後に控えた今も空いたままとなっている。
バーレーンで行われたF1プレシーズンテスト2日目の会見でヴァウルズは、3名の退社に触れて「何よりも優先すべきは技術体制の構築だ」と述べ、グザビエ・ドゥメゾンとウィーターの後任人事が最優先事項だとしつつも、決定を急ぐつもりはないと主張した。
「まずはテクニカル・ディレクターやエアロ部門の責任者といった点で適切な体制を整えること、それが第一だ。組織として前進するには明らかにそれらが必要だ」
「短期的に誰かを配置するということではなく、長期的に見て適切な人材を確保する事が重要だ。時期に関しては答えられないが、決定を急ぐつもりはない」
技術部門を整えた後に取り組むのはウィリアムズの現状を理解するための作業だが、ヴァウルズの昨年までの職場であるメルセデスとウィリアムズとでは規模が全く異なる。
ヴァウルズは「私はこれまで、必要に応じて求めれば、それが提供されるような組織にいた。有難いことに想像しうる限りのものが揃っていた」と語る。
「だが今いる場所はこれとは全く対照的で、特にコスト削減のために、必要な事であっても金を投じたり、それを要求したりするのが難しい環境にある」
昨年末のウィリアムズは最下位に甘んじたものの、今年の新車「FW45」はプレシーズンテストでアルファタウリに次ぐ周回を走り込み、タイムシートでも度々上位に顔をのぞかせた。
ヴァウルズは、追い風でのブレーキングを除けば「昨年と比較して前向きとの見解もあるだろう」としながらも、判断するのは「時期尚早」だと指摘した。
また、フロア変更を含む技術規定の調整による序列への変化は限定なものになるとの考えを示し、「トップ3はおそらく変わらないだろう。レッドブルが優位に立っているように見える」と語った。