FW41とFW40の側面画像比較

ウィリアムズ:2018年F1マシン「FW41」解説 / 比較画像とエンジンスペック・主要諸元

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ウィリアムズ・マルティーニ・レーシング(Williams Martini Racing)の2018年F1マシン「FW41」が、2月15日にイギリス・ロンドンで正式発表された。心臓部には、1.6リッターV6ハイブリッドターボのMercedes-AMG F1 M09 EQ Power+が収められている。

カラーリングは、タイトルスポンサーの酒造メーカー「マルティーニ」のコーポレートカラーを使ったストライプ柄がフューチャーされ、昨年の「FW40」と同じ印象に仕上げられた。

FW41 写真ギャラリーと解説

王者メルセデスを離れ昨年ウィリアムズに移籍した技術責任者のパディー・ロウと、フェラーリからウィリアムズへと転職したエアロダイナミクス部門トップのディア・ダ・ビアの二人が手掛けた初のマシン「FW41」は、前年「FW40」と比べて大きな変貌を遂げた。

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」

レギュレーションによって装着が義務付けれれたコクピット保護デバイス「ハロ」は、基調カラーと同じ白色にペイントされているため、さほど異質感は感じられない。

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」上方画像

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」上方画像拡大リア

リアウイング前方下部には、T-ウイングらしきものが確認できる。ハロの形状とマシンリアの絞込具合が興味をそそる。マシン後方に伸びるエンジンカバーは、その途中で厚みに大きな変化が設けられている。

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」上方画像拡大フロント

車体とタイヤとを繋ぐアーム付近でフロントノーズはラインに変化が加えられている。ノーズ上部と下部のラインは各々独立しており、異なるカーブを描いている。

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」正面

コックピット両側に位置するサイドポットとサイドポンツーン周りの複雑な処理は、昨年のフェラーリと酷似しているように見受けられる。バージボード周辺のエアロパーツも興味深い。

ウィリアムズの2018年F1マシン「FW41」側面

昨年マシンとの比較画像

FW41とFW40の側面画像比較

昨年のFW40と比較すると、如何に大きな変更が施されたのかがよく分かる。サイドポッドの絞込などはまるで別物のようだ。

FW41とFW40の正面画像比較

技術諸元・スペック

エンジン

型式 メルセデスAMG F1 M09 EQ Power+
排気量 1600cc
シリンダー V型6気筒 / 90度
バルブ 24
最高回転数 15,000rpm(ICE、レギュレーション規定)
最大燃料流量 100kg/h(10,500rpm以上)
燃料噴射 高圧直噴(1インジェクター、最大500bar/1シリンダー)
過給単段コンプレッサー・廃棄タービン最大回転数 125,000rpm
ERS メルセデスAMG HPP(ハイ・パフォーマンス・パワートレインズ)

シャシー

型式 FW41
構造 カーボンファイバー / ハニカムコンポジット構造
フロントサスペンション プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン
スプリング&アンチロールバー
リアサスペンション プルロッド式ダブルウィッシュボーン
スプリング&アンチロールバー
トランスミッション ウィリアムズ製8速シームレスシーケンシャル・セミオートマチック+リバース
電子油圧制御によるギアセレクト
クラッチ カーボンマルチプレート
ダンパー ウィリアムズ製
ホイール ダイキャスト製鍛造マグネシウム
タイヤ ピレリ P Zero
フロント: 305/670-13
リア: 405/670-13
ブレーキ APレーシング製6ピストン(フロント)、4ピストン(リア)キャリパー
カーボンディスクブレーキ&パッド
ステアリング ウィリアムズ製パワーアシスト・ラック・アンド・ピニオン
燃料システム ケブラー強化ゴムタンク
電気システム FIA SECU スタンダードECU
冷却システム アルミオイル、冷却水、ギアボックス・ラジエーター
コックピット 75mmショルダーストラップ&HANSシステム付6点式シートベルト
着脱式ドライバー専用カーボンファイバーシート
全幅 2,000mm
全高 950mm
重量 733kg(ドライバー含)

コンセプト刷新によって空力性能が向上

新車発表会の中でパディー・ロウは、昨季とはまるで異なる空力コンセプトを採用した事によって、空力性能が大幅に向上している事を明らかにした。技術規約に大きな変更がないため、2018年マシンは昨年の「進化版」となるのが一般的だが、ロウによれば「FW41」は抜本的な変更を含む多数の改良がなされた「別物」なのだという。

どのようなコンセプトなのかについては公表されていないものの、メルセデス製ERSの性能を最大限にまで引き出す工夫がなされているようだ。メルセデスの技術責任者を務めていたロウだからこそ初めて可能になった仕事と言える。