
フェラーリ、遂に復活か―本命マクラーレンに脅威出現? F1イギリスGP優勝争いに名乗り
2025年F1第12戦イギリスGPの金曜フリー走行で注目を集めたのは、前戦オーストリアで投入された新型フロアを搭載するフェラーリが、マクラーレンに匹敵する速さを見せた点だ。
風が強く、気温の高いシルバーストンにおいて、フェラーリは今季これまでの金曜日の中で最も高いパフォーマンスを発揮した。SF-25はようやく好転の兆しを見せ始めており、次戦ベルギーGPでの新型リアサスペンションの導入を控え、チームは確かな手応えを掴みつつある。
「今シーズンで最高の金曜日だった」と語るのはチーム代表のフレデリック・バスール。この日、FP1ではルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、FP2ではシャルル・ルクレールが2番手につけた。首位ランド・ノリスとの差は0.222秒、ハミルトンも0.301秒差の3番手で続いた。
一見すると大きな差にも見えるが、マクラーレン勢とは異なり、ルクレールとハミルトンのベストラップはそれぞれ、ソフトタイヤを装着した2回目の走行で記録されたものだった。最初のアタックではトラフィックやミスによりチャンスを逃しており、特にハミルトンは前方車両の影響を受けていたと報告している。
一方で、前後タイヤの温度バランスを最適化するまでに2周を要するため、フェラーリが新品タイヤのグリップをマクラーレンほど最大化できなかったという構造的な背景も見え隠れする。
いずれにせよ、シルバーストンで前人未到の10勝目を狙うハミルトンは、前向きな手応えを掴んでいる。
「レッドブルやマクラーレンはアップグレードを入れてきたのに、入れていない僕らが依然として上位争いに加わっているのは、本当に前向きな材料だと思う」とハミルトンは語り、「今週末は、良い結果を夢見てもいいと思う」と付け加えた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
インタビューに応じるルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行
実際、フェラーリの速さには、本命と目されるマクラーレン勢も警戒を強めている。ノリスは「今日のフェラーリは本当に、本当に速かった。明日も同じだろうね」と語り、ピアストリも「ちょっと驚いたよ。予選シムでもロングランでも速かったから、今週末は彼らも争いに加わってくると思う」と予測した。
ロングランにおけるフェラーリの仕上がりはさらに際立っていた。ルクレールはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)やマクラーレン勢といったライバルよりも多くの周回をこなしながら、ほぼ互角の平均ペースを記録した。
「予選トリムでは若干遅れているように見えるけれど、僕らはロングランの方が良いんだ」とルクレールは語る。
フェラーリ復活の兆しが見え始めたこのタイミングで、フェラーリはベネデット・ヴィーニャCEOがシルバーストンを訪れる予定となっており、パドックでの注目度だけでなく、チーム内の士気も一層の高まりを見せている。
2025年F1イギリスGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.222秒差で退けた。3番手にはルクレールのチームメイト、ルイス・ハミルトンが続く結果となった。
FP3は日本時間7月5日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってシルバーストン・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。