残り4戦大丈夫か? ウィリアムズF1、複数のCOVID-19陽性例を公表…英国は再ロックダウン
F1世界選手権に参戦するウィリアムズ・レーシングは、ポルトガルGPとエミリア・ロマーニャGPの開催期間中にチーム内で”複数”のCOVID-19の陽性例が確認された事を公表した。
チームはイモラ・サーキットでの週末を終え、声明の中で「ウィリアムズは、ポルトガルGPとエミリア・ロマーニャGPの開催期間中にCOVID-19の陽性例が複数(a number of)発生したことを明らかにする」と述べた。
「詳細な個人情報は明かさないが、社員の安全を優先してFIAと協力し、COVID-19ガイドラインに沿って全て管理されている事をお伝えしたい。なおトラックサイドチームのメンバー数名が、これら陽性者と濃厚接触した事が特定されたため、ガイドラインに従って隔離されている」
「COVID-19の社内プロトコルに従って、ファクトリー勤務のチームメンバーの数名が、来週のトルコGPの週末に、彼らに変わって現場での役務を担うことになる」
「この件に関して、今後これ以上情報を更新するつもりがない事をご理解頂きたい。なお、この困難な時期に仕事に取り組みサポートしてくれている現場及びファクトリーの全てのチームメンバー、そしてその家族に感謝の意を表したい」
イモラでのイベントでは、ジョージ・ラッセルのトレーナーを務めるアレックス・カサノヴァスがCOVID-19と疑われる症状を患い、週末を前に自己隔離を行っていた。
なお国際自動車連盟(FIA)とF1は、エミリア・ロマーニャGPが開催された週末を含む10月30日~11月5日の7日間に計1,781回のウイルス検査を行い、内8人から陽性が確認された事を明らかにしている。陽性率は約0.45%で、これは過去3番目に高い値だ。
ヨーロッパは現在、新型コロナウイルス感染症の第二波に襲われており、各国では感染者が急増。これと呼応するようにF1においても9月末以降、陽性率が急上昇している。
F1チームの大部分が本拠を構えるイギリスでは、第一波が到来した今年春に厳しい外出制限を含むロックダウンを実施。チームはコスト削減のためにスタッフを一時解雇したり、ファクトリーを閉鎖したりと対応に追われた。
感染拡大の勢いが落ち着いた事から、その後制限が緩められていたが、死亡者数の増加が予想される事から、11月5日よりイングランドでロックダウンが再開された。
これは特別な理由がない限り外出を禁ずるもので、仕事、教育、またはその他の法的に許可された免除がない限りは国内及び海外への移動は禁止され、また、仕事を含む特定の例外を除いて住居外での宿泊も禁止される。この措置は12月2日まで続けられる。
2020年シーズンのカレンダーに残るグランプリは、トルコ、バーレーン、アブダビの3つの開催地での4イベントだが、欧州での感染が拡大傾向に転じ、チームの本拠地がロックダウンされる中、無事にレースを開催できるのだろうか?
この点について英国ブラックリーを本拠とするメルセデスのトト・ウォルフ代表は、今回のロックダウンは全ての活動が大きく制限された今年春のものとは性質も規模も異なるとして楽観的な姿勢を示し、ウォーキングを本拠とするマクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、パンデミックに関する状況は非常に”ダイナミック”であると認めながらも、現時点で計画に変更はなく予定通りにレースを行う見通しだとしている。
2020年F1 COVID-19検査数と陽性者数
期間 | 検査数 | 陽性 |
---|---|---|
10月30日~11月5日 | 1,781回 | 8名 |
10月23日~10月29日 | 4,281回 | 9名 |
10月16日~10月22日 | 3,051回 | 8名 |
10月9日~10月15日 | 1,506回 | 8名 |
10月2日~10月8日 | 1,635回 | 3名 |
9月25日~10月1日 | 1,822回 | 10名 |
9月18日~9月24日 | 3,256回 | 7名 |
9月11日~9月17日 | 1,938回 | 1名 |
9月4日~9月10日 | 5,589回 | 1名 |
8月28日~9月3日 | 5,704回 | 2名 |
8月21日~8月27日 | 3,591回 | 1名 |
8月14日~8月20日 | 2,847回 | 1名 |
8月7日~8月13日 | 5,467回 | 0名 |
7月24日~7月30日 | 3,909回 | 1名 |
7月17日~7月23日 | 1,461回 | 0名 |
7月10日~7月16日 | 4,997回 | 2名 |
7月3日~7月9日 | 4,566回 | 0名 |
6月26日~7月2日 | 4,032回 | 0名 |