レーシング・ポイントF1チームのランス・ストロール、2020年F1アイフェルGPにて
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F1アイフェルGP欠場のランス・ストロール、COVID-19陰性もトイレから出られず…決断はFP3の30分前

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レーシング・ポイントF1チームのオトマー・サフナウアー代表は、F1アイフェルGPを欠場する事になったランス・ストロールはインフルエンザに似た症状を発症しており、セッションに参加できるだけの長時間に渡ってトイレを離れる事ができなかったと明かした。

「昨夜は少し胃の調子が悪いと訴えていた。長いことトイレから出て来れない状態だったんだ」とサフナウアーは説明する。

「彼は『大量に催してしまいトイレから出られず、マシンに乗るのに十分なほどトイレを離れる事ができない』と言っていた。変なものを食べたのか、おなかの調子が悪いのかは分からない」

「快方に向かう事を期待していたのだが、ウイルスに似た症状が出ており体調が良くなく、エクササイズも出来ない状態で『(走るのは)無理だ』と言っていた。今は医者に診てもらっており、帰れる状態になったら家に帰る事になるだろう」

サフナウアー代表によると、ストロールは2週間前のソチ・オートドロームでの週末以来、体調が崩していたのだという。F1コミュニティでは、過去2週連続で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性者が増加している。ソチではマスクを着用せずに”密”にレースを観戦するファンの姿が目立っていた。

サフナウアー代表は「彼はロシアGPの時以来、調子が良くなかった。ちょっとした風邪を引いていたのだと思う。今週末に先立って何度もウイルス検査を受けているが3・4回共に陰性だった。典型的なCOVID-19の症状はなく、ただ気分が良くないだけだ」と語った。

「イベント前の検査は火曜日にあった。我々は水曜日に検査結果を手にした。それ以来、彼はテストを受けていない。FIAのプロトコルに従っているんだ。次の検査は日曜日か月曜日だ」

ストロールは最終的に、10日(土)の最終プラクティス以降の走行を取り止める決断を下したが、あまりにもギリギリのタイミングであったため、チームは代役手配のための十分な時間を得る事ができなかった。サフナウアー代表は「彼には『次にダブルヘッダーが控えているから』という話をしたんだ」と述べ、次のように続けた。

「彼が(欠場を)伝えてきたのはFP3の30分前だった。彼は参加したいという気持ちを持ち続けていたが、もし体調が改善しない場合、具合が悪いままに予選と決勝に挑まなければならなくなる。それは彼の望むところではなかった」

「もし昨日の段階で言ってくれていれば、我々は1日早くヒュルケンベルグを呼び、FP3を彼に託していただろう」

“スーパーサブ”として今年のシルバーストンでの2連戦で活躍したニコ・ヒュルケンベルグは、友人とコーヒーを飲んでくつろいでいた際にサフナウアー代表からの電話を受け、急きょ車に飛び乗ってケルンからニュルブルクリンクへと向かい、ストロールの代役としてぶっつけ本番の予選に臨んだ。

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