レーシング・ポイントF1チームのドライビングスーツを着てガッツポーズを取るニコ・ヒュルケンベルグ
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ヒュルケンベルグ、ストロールの代役でF1アイフェルGP緊急参戦!母国での悲願初表彰台へ

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スーパーサブとして、シルバーストンでの2戦でセルジオ・ペレスの代役を務めたニコ・ヒュルケンベルグが再びレーシングポイントRP20のステアリングを握る。

英国シルバーストン本拠のチームはF1アイフェルGPの予選開始を1時間後に控えて、ランス・ストロールの代役としてニコ・ヒュルケンベルグを起用した事を正式発表した。予選および決勝を担当する。

チームは「体調が100%」ではない事を理由に、3回目のフリー走行の最中にストロールのセッション欠場を発表。予選までに残された時間は僅か3時間しかなく、後任ドライバーに注目が集まっていた。

レーシングポイントは、パワーユニットサプライヤーのメルセデスとの間でリザーブドライバーの共有に合意しており、パドックにいたストフェル・バンドーンを走らせる事ができたが、選んだのは代役実績のあるヒュルケンベルグだった。

FP3のチェッカーフラッグを経て、メディア関係の仕事でニュルから車で1時間ほどの距離のケルンに滞在していたヒュルケンベルグは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査をパスしてパドックに入るとその足でレーシングポイントのモーターホームに向かい、すぐにレーシングスーツに着替えるとガレージに入っていった。

F1アイフェルGPのスチュワードは現地14時10分に次の声明を発表し、ヒュルケンベルグに参戦許可を発行した事を明らかにした。

「BWTレーシングポイントF1チームから、18号車ランス・ストロールのドライバー変更の要請を受けた」

「FIAフォーミュラ1スポーツ規則第26条1項aに基づき、ランス・ストロールに代わってニコ・ヒュルケンベルグ(27号車)の2020年アイフェルGPへの参加を許可する。スチュワードはニコ・ヒュルケンベルグがライセンス要件を満たしていることを確認した」認めます。

「27号車のドライバーは、先の条項に基づき、元のドライバーであるランス・ストロールに割り当てられたエンジン、ギアボックス、タイヤを使用する」

ペレスの代理として復帰した第4戦は、いきなりの走行にも関わらずFP2で7番手、予選13番手と高い順応性を見せたが、決勝はパワーユニットのトラブルで出走できず無念の週末に終わった。

続く第5戦では一貫してストロールよりも高い競争力を示し、予選3番手を獲得。決勝ではマシンパフォーマンスに勝るレッドブル・ホンダ勢に前を許したものの、残り9周まで5位を走行し、7位という好成績でチェッカーを受けてパドックに強い印象を与えた。

その才能と高いパフォーマンスを評価されながらも、178戦の出走で未だポディウム経験のない33歳のドイツ人ドライバーは、予期せぬ形で電撃的に訪れた母国ニュルブルクリンクでのチャンスを活かし、悲願の初表彰を目指す事になる。

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