ヴァウルズ代表、サージェントではなく事故を起こしたアルボンにクルマを与える可能性を認める / F1オーストラリアGP
非破壊試験(NDT)を通して損傷したシャシーを徹底的に確認し、修復不能と判断された場合、以降はアレックス・アルボンがローガン・サージェントのマシンをドライブする可能性があるとウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表が認めた。
F1オーストラリアGPのオープニングセッションでアルボンは、アウト側に膨らんで縁石に乗り上げ、右フロントからターン7のバリアに激突。コース側に弾き返された車体は路面を滑走し、左リアからターン8のウォールにぶつかった。
損傷の程度は酷く、アルボンはFP2の欠場を余儀なくされた。
英「AUTOSPORT」によると車体の損傷についてヴァウルズは、エンジンの損傷に加えてギアボックスは真っ二つとなり、シャシーもダメージを負ったとして「これまでに経験した中で最悪の事態」だと説明した。
ウィリアムズはオーストラリアGPの初日に向けて23号車のギアボックスを交換したばかりだった。
ヴァウルズはまた、アルバート・パーク・サーキットにスペアシャシーを持ち込んでいない事を明らかにして、仮にアルボン車のシャシーが修復できなければ、アルボンがサージェントのマシンを引き継ぐ可能性があると認めた。
ヴァウルズは「ここで1ポイントを獲得すれば、チャンピオンシップで6位と10位の差が生まれる可能性がある。単純な話だ」と語った。
ウィリアムズのガレージには何故、スペアのモノコックが用意されていないのだろうか? ヴァウルズによるとそれは、新シーズンに向けた準備を進める過程で「リスク」を取った結果だった。
ウィリアムズは2024年シーズンに向け、あらゆるリソースを限界まで使ってFW46の競争力を高める事を最優先事項とした事で、予備のシャシーの構築を犠牲にしなければならなかったという。
当初はオーストラリアGP頃までにスペアシャシーを用意する計画であったが、実現には至らなかった。
ヴァウルズは、スペアシャシーがない期間を無事故で終われる事を願っていたが、その賭けが今回の事故によって失敗に終わったことを認めた。
修復可能と判断された場合、ウィリアムズのメカニックはカーフュー(深夜作業禁止令)の例外規定を使い、イベント2日目に向けて夜通し作業に取り組むことになりそうだ。