7度目のF1ワールドチャンピオンを決めて両手を掲げるメルセデスのルイス・ハミルトンの後ろ姿、2020年F1トルコGP

ハミルトン逆転勝利、シューマッハに並ぶ7度目の栄冠「旅はまだ始まったばかりだ」F1トルコGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第14戦トルコGP決勝レースが11月15日に行われ、予選6番グリッドのルイス・ハミルトンが4戦連続、今季10度目、キャリア通算94勝目を逆転優勝を飾り、ミハエル・シューマッハが保持する史上最多タイの7度目のF1ワールドチャンピオンに輝いた。

58周のレースはウェットコンディションで行われ、ロマン・グロージャン(ハース)、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)の3台がリタイヤを喫し、ポールシッターのランス・ストロール(レーシングポイント)が9位に終わるなど荒れた展開となった。

ハミルトンは多くのマシンがスピンを喫し、コース外に飛び出すなどする中、着実にポジションを上げていき、34周目にアレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)がターン4でスピンを喫すると表彰台圏内の3番手に浮上。ストロールが2度目のピットストップに動いたタイミングでセルジオ・ペレス(レーシングポイント)をオーバーテイクしてトップに浮上した。

その後はタイヤをマネジメントしながらも決してペースを落とすことなく、インターミディエイトのトレッドに刻まれた溝が完全になくなるまでタイヤを使い切り、後続に31.633秒もの大差を付けてトップチェッカーを受けた。

レースを終えたハミルトンは「まだ始まったばかりだよ」と語った。

「よく言うんだけど、これは自分の身の丈を越えた夢だ。でも僕はこれまでの人生の中で、ずっと密かに夢見てきたんだと思う。手が届かない遠い夢のように感じていた」

「マイケル(シューマッハ)がチャンピオンを獲得していく姿を見てきた。1つ、2つ、3つとね。7度のチャンピオンは想像を絶するものだった」

「今日は一体なんて日なんだろう」

「まだ始まったばかりのような気がする。体力的には最高の状態だと感じている。今年は全く先が読めない未知のチャレンジだったけど、周りの人たちの助けもあって、なんとか頭の中を整理して集中することができた」

「来年はもっと良い年にしたいと思っているし、ここにいたいと思っている。僕らにはやるべき事がたくさん残っているような気がしている。僕らは自分たちの責任を果たすための仕事を始めたばかりだ。F1やメルセデスの手助けがしたい。そう感じている」

初のチャンピオン獲得に望みを繋ぎたかったチームメイトのバルテリ・ボッタスは、1周目に接触事故に巻き込まれてしまい隊列後方まで後退。その後はミッドフィールドから抜け出す事ができず、46周目にハミルトンに対して周回遅れを許し、ポイント圏外の14位でクルマを降りた。

2位はハミルトンと同じく見事なマネジメントでインターミディエイトを保たせたペレス。3位表彰台にはスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが滑り込んだ。戦友の歴史的快挙に対してベッテルは、誰よりも先にハミルトンに声を掛けた

期待が寄せられたホンダエンジン勢は、失望と共にイスタンブール・パーク・サーキットを後にする事となった。

予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は蹴り出しで遅れてしまい、オープニングラップで2つポジションを落とす厳しい展開でスタートした。

19周目にペレスに仕掛けた際にコース外に飛び出てしまいスピンを喫すると、フェルスタッペンは3番手から6番手へと後退。フラットスポットを作った事でインターミディエイトに履き替えるが、ブレーキダクトのデブリ撤去のために4秒を要し、カルロス・サインツ(マクラーレン)の後方8番手にまでポジションを落とす事となった。

51周目には再び濡れた路面に足を取られてしまい、キミ・ライコネンと同じ場所、同じタイミングでリアを失い、スピンの共演を披露したが、幸いにもポジションを落とす事はなく体制を立て直し、53周目にアルボンを交わして6番手にポジションを戻すも、追撃の狼煙が上がる事はなくそのままフィニッシュ。アルボンは7位でヘルメットを脱いだ。

アルファタウリ・ホンダ勢は、マクラーレン勢へのグリッド降格ペナルティで13番グリッドからスタートする予定であったピエール・ガスリーがPU交換規定違反でグリッド後方スタートを科される幸先の悪い展開に。

16番グリッドのダニール・クビアト共々、オープニングラップで大きくポジションを上げる事に成功したまでは良かったが、その後は全くペースが上がらず仕舞いで、クビアトが12位、ガスリーが13位と、ノーポイントゲームに終わった。

決勝は日本時間15日(日)19時10分に気温13℃、路面16℃、湿度83%のウェットコンディションでフォーメーションラップが開始され、レースは通常通りのスタンディング・スタートでブラックアウトを迎え、1周5,338mのコースを58周する事で争われた。

現地イスタンブールはレース直前に降雨があり、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィとウィリアムズのジョージ・ラッセルがレコノサンスラップ中にクラッシュを喫する場面もあった。10番グリッドのジョビナッツィは無事にレースをスタートさせたものの、13周目にコース脇にクルマを停めてヘルメットを脱いだ。車両撤去のためにバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。

ウィリアムズの2台を除く全車がフルウェット・タイヤを選択。注目のオープニングラップのターン1では、イン側をルイス・ハミルトン、アウト側をエステバン・オコンに挟まれる形となったダニエル・リカルドがチームメイトと接触する事故が発生した。

オコンは12ポジションダウンの19番手に後退し、これに巻き込まれたボッタスも18番手にまで順位を落とした。その一方でベッテルは8ポジションアップ、後方19番手からのスタートを強いられたガスリーも、混乱をうまく避けて13番手にまで浮上した。レーススチュワードは、1周目に発生した全てのインシデントをレーシングアクシデントとみなして、一切の罰則を科さない事を決定した。

路面状況が改善していく中、14番手を走行していたルクレールが6周目にいち早くインターミディエイトに交換。4位フィニッシュへと至る道筋を作り上げた。

路面が徐々に乾きつつある中、レースコントロールは30周目にDRSの使用を許可した。すると直後の34周目に、3番手を走行してたアルボンがターン4でスピン。ハミルトンに前を許した。アルボンは翌週にピット作業を行って2セット目のインターミディエイトに履き替え、6番手でコースに戻った。

順調に走行を続けるペレスは、35周目にチームメイトのDRS圏内を捉えた。これを機にレーシングポイントは、ストロールに対して2度目のピットを指示。2番手でコースへと復帰したポールシッターは、その後ズルズルと後退していき、最終的に9位でフィニッシュした。

早めのインターミディエイトへの履き替えが功を奏したルクレールは、41周目にベッテルをオーバーテイク。4番手に浮上するが、ペレスとの攻防の中、ファイナルラップの最終セクションでコースオフを喫してしまい、ベッテルに3位表彰台を明け渡す格好となった。

最終セクションは低速故に水はけが悪く、48周目には10番手を走行していたランド・ノリスがリカルドに仕掛けてスピンを誘い、9番手にポジションを上げる場面もあった。ノリスは56周目にポールシッターのストロールを交わして8番手に浮上。5位フィニッシュを飾ったサインツ共々、ポイントを手にして、コンストラクターズでの激しい4位争いを繰り広げるルノーとの差を広げた。

軽い接触事故やコースオフなどはあったものの、セーフティーカーが導入されるような大きなインシデントはなかった。リタイヤは全部で3台。ジョビナッツィに続いてロマン・グロージャンとニコラス・ラティフィがクルマを降りた。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 58 1:42:19.313 25
2 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 58 +31.633s 18
3 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 58 +31.960s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 58 +33.858s 12
5 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 58 +34.363s 10
6 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 58 +44.873s 8
7 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 58 +46.484s 6
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 58 +61.259s 5
9 18 ランス・ストロール レーシングポイント 58 +72.353s 2
10 3 ダニエル・リカルド ルノー 58 +95.460s 1
11 31 エステバン・オコン ルノー 57 +1 lap 0
12 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 57 +1 lap 0
13 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 57 +1 lap 0
14 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 57 +1 lap 0
15 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 57 +1 lap 0
16 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 57 +1 lap 0
17 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 55 DNF 0
NC 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 49 DNF 0
NC 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 39 DNF 0
NC 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 11 DNF 0

コンディション

天気
気温
13℃
路面温度
16℃
周回数
58

レース概要

グランプリ名
F1トルコGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
イスタンブール・パーク・サーキット
設立
2005年
全長
5338m
コーナー数
14
周回方向
反時計回り

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