F1トルコGP:フェルスタッペンのピット出口違反疑惑並びに、ハース及びラティフィの一件に関する裁定
F1トルコGPのレーススチュワードは58周に渡った決勝レースを終えて、ピット出口の白線を横切ってコースに戻ったとの疑いが掛けられていたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに関する調査を終えて、お咎めなしの裁定を下した。
FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシは、フェルスタッペンがFIAインターナショナル・スポーティング・コード(ISC)付録L第5章4節およびレースディレクターズ・ノート第18.1条に違反した可能性があると報告。これを受けてスチュワードはレース後、複数の映像証拠を検証して、フェルスタッペンに対して何らの処分も科さない事を決定した。
通常、この違反行為は5秒のタイムペナルティの対象となる。仮に制裁が科されていれば、フェルスタッペンは1.6秒落ちでフィニッシュしたチームメイトのアレックス・アルボンとの順位が入れ替わり、6位に後退する可能性があった。
ディレクターズ・ノートには「ISCの付録Lの4章(第5節)の規定に基づき、ピットを出る際、ドライバーはピット出口の白線の左側を維持しなければならない。また、ピットを出る車両の一部がこの線を越えてはならない」と定められている。
スチュワードはフェルスタッペンへの処分を見送った理由として「33号車がピット出口とコースとを隔てる白線を完全に越えた事を証明する決定的な証拠がなかったため」と説明した。
レース後の審議対象には、ハースF1チームのアンセーフリリース疑惑もあった。チームは、左リアホイールの取り付けが十分でない可能性があると判断して、ピットからコースに戻ろうとしていたケビン・マグヌッセンに対し停車するよう指示。これがインシデントとして記録されていた。
スチュワードは映像証拠と無線データを調査した上でチーム代表者からの聴取を終え、「利用可能な証拠からはアンセーフリリースを断定する事はできない」として一件をお咎め無しとした。
またウィリアムズのニコラス・ラティフィとハースのロマン・グロージャンとの接触事故に関しては、ラティフィに叱責処分が下された。
一件はブルーフラッグが振られたラティフィに対して、ダニエル・リカルドとグロージャンがオーバーテイクを仕掛けた際に発生した。リカルドがコーナー手前でラティフィをパスした後、グロージャンはアウト側からラティフィに接近したが、アンダーステアを抱えたラティフィがアウト側に膨らみ接触した。
スチュワードは、路面が非常に滑りやすいコンディションであった事を考慮して、叱責処分に留めた。今季唯一のルーキーにとっては初の叱責処分となった。