唯一無二の”滑り台”…アストンマーチンF1「AMR23」の隠された衝撃的サイドポッド、シェイクダウンで明らかに
多くのライバルが昨年のレッドブル、またはフェラーリのコンセプトを取り入れ保守的なデザインとした一方、アストンマーチンは2023年型F1マシン「AMR23」に、唯一無二の革新的サイドポッドを導入した。
新車発表でお披露目されたローンチカーは過激にえぐられたアンダーカットやキャノン型冷却アウトレットなど、昨年のチャンピオンマシン「RB18」との類似性が目につくばかりで、特に目立つような驚きの要素は見当たらなかった。
だが、「かなりアグレッシブなアプローチを採っている」と語るレッドブルの元空力責任者ダン・ファローズ率いるエンジニアリングチームは、他に類を見ないソリューションを隠し持っていた。
シルバーストン・サーキットでのシェイクダウンを経て明らかとなった実車のサイドポッド上面は、リア側に向かって下降する滑り台のようなCチャンネルを備えていた。そのままフロアに繋がっているものと思われる。
公開された画像は暗部が強調されているようで、画像を補正してもディティールまでは見えてこないが、サイドポッドとエンジンカバーが”滑り台”によって完全に切り離されているかのように見える。内部の冷却系レイアウトは一体どうなっているのだろうか。
革新的であることは必ずしも優れたパフォーマンスを意味するものではないが、エアロダイナミクス部門のチームリーダーとして2010年~13年にかけてのダブルタイトル4連覇に貢献したファローズ初監修のマシンとあって否が応でも期待を誘う。
このアイデアは実際のシーズンでも採用されるのだろうか? AMR23はトップ3に接近、あるいは匹敵できるのだろうか? 2月23日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開幕を迎えるプレシーズンテストの楽しみがまた一つ増えた。