アストンマーチンは、今週末にザントフォールト・サーキットで行われる2025年F1第15戦オランダGPで、新型「ヴァンテージS」をセーフティーカーとしてデビューさせる。メディカルカーには引き続き「DBX707」を供給する。

アストンマーチンは2021年にF1セーフティーカーの供給を開始。それまで独占供給していたメルセデスに加わり、現在も併用体制が続いている。メルセデスはAMG GTブラックシリーズをセーフティカーとして、GT 63 S 4MATIC+をメディカルカーとして提供している。

歴代最高のパフォーマンスモデル

新型ヴァンテージSは歴代モデルの中で最もパフォーマンス志向な存在で、手作業で組み上げられた4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力680馬力、最大トルク800Nmを発揮し、0-100km/h加速3.4秒、最高速度325km/hという圧倒的なスペックを誇る。

空力面では、V8エンジンの“ホットV”レイアウトからの排熱効率を最適化する新設計のセンターマウント式ボンネットブレードを装備。さらにフルワイドのデッキリッドスポイラーを採用することでリアダウンフォースを増加させ、前寄りのダウンフォースバランスを追求している。

外装カラーはアストンマーチンF1チームと同じ「ポディウム・グリーン」に統一され、サーキット上で存在感を示す。F1マシンを先導する役割を担うにふさわしい性能を備える。

F1セーフティーカードライバーのベルント・マイレンダーは「性能が進化したヴァンテージSの導入により、これまで以上に迅速かつ安全に対応できるようになった。史上最もパフォーマンスに特化したヴァンテージで世界最高のサーキットを走るのが楽しみだ」と語った。

ブランド価値の向上を狙うアストン

アストンマーチンのグローバル・マーケティングディレクター、アレックス・ロングは「ヴァンテージSはブランドの鼓動であり、最高のパフォーマンスを誇るモデルだ。F1セーフティカーに最適であり、世界最高の舞台でリーダーシップを発揮できるのは大きな誇りだ」と強調した。

さらに「ブランド認知度の点でF1に勝るものはなく、我々は“地球上で最も偉大なショー”に貢献できることを誇りに思う」と述べ、公式セーフティカーに採用されることのマーケティング的価値をアピールした。

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