1965年にホンダがF1初優勝を飾った際の「Honda RA272」をイメージしてデザインされた2021年F1トルコGP仕様のレッドブル・ホンダRB16Bのエンジンカバー周り
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダF1、撤退まで後2戦「何を成すべきかは誰もが心得ている」と田辺TD

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2015年より始まったホンダF1第4期活動も残り2戦で終わりを迎える。ドライバー及びコンストラクターの両世界選手権を懸け、レッドブルはもとより、アルファタウリを含めてホンダは、チーム一丸となって今週末のサウジアラビアGPに臨む。

田辺豊治テクニカル・ディレクターは初開催を迎えるジェッダ市街地コースでの週末に先立ち「今シーズンもあと2レース。ホンダにとってもF1撤退まであと2レースを残すばかりとなりました。我々は両タイトルを懸けてこの最後の連戦に臨みます」と語った。

サウジアラビアGPを含めてシーズン2戦を残す今、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はルイス・ハミルトン(メルセデス)に8点差で選手権をリード。コンストラクターズ選手権ではレッドブル・ホンダが首位メルセデスに5点差と迫っている。

ジェッダ市街地コースは前戦カタールGPのロサイル・インターナショナル・サーキットと同じく初開催のサーキットで、250㎞/hを超えると見込まれる平均時速はイタリア・モンツァに次いでカレンダーの中で2番目に速い。

エンジンパワーがモノを言う事は確かだが、同時に1周を通してどのように回生エネルギーを使うかというマネージメントも大きな鍵を握ることになる。

「サウジアラビアのジェッダ市街地コースは紅海沿いの一般道を使ったサーキットですが、モナコやシンガポールといった典型的なストリートサーキットとは全く異なる特徴を持っています」と田辺TDは説明する。

「スパ・フランコルシャンに次ぐ全長6.174kmはカレンダーで2番目に長く、市街地コースで典型的な90度コーナーは皆無で、27個もの高速で流れるようなコーナーが連続しており、平均速度が非常に高くなる事が予想されています」

「長い全開区間を持つ高速サーキットと捉えていますが、路面のアスファルト舗装や外気温・湿度などとともに、そのレイアウトの特異性を含めて実際に走行してみて分かってくることも多いのではと考えています」

「先日のカタールGPと同様、新しいイベントではシミュレーションと現実との相関性を確認するための作業が増えますのでエンジニアにとっては忙しい週末となります。また、セッション中に迅速にセッティングを調整する事も求められます」

泣いても笑ってもホンダにとって残されたのはあと2レースだ。田辺TDは「ラスト2レースに向けて何を成すべきかについてはホンダの誰もが心得ています。その目標を達成するために、我々は2つのチームと一丸となって全力でプッシュしていきます」と誓った。


初開催を迎えるF1サウジアラビアGPは新設のジェッダ市街地コースで開催される。1周6,175mのコースには27個ものコーナーがひしめくが、大部分は中高速コーナーでエンジン全開率は72%と高く、最高速度は市街地としてはバクーに次ぐ330km/hが予想される。

F1サウジアラビアGPは、日本時間12月3日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

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