フェルスタッペンのF1サウジアラビアGPでの戴冠条件、ハミルトンがジェッダでの市街地戦を落とせない理由
シーズン2戦を残してマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が初のチャンピオン獲得に王手をかけた。次戦F1第21戦サウジアラビアGPで2位以上を獲得した場合、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の成績如何でフェルスタッペンのタイトルが決する。
フェルスタッペン | ハミルトン |
---|---|
優勝+FL | 6位以下 |
優勝 | 7位以下 |
2位+FL | 10位以下 |
2位 | 11位以下 |
だが、そもそもサウジアラビアでフェルスタッペンの戴冠を期待する事は難しい。
ジェッダ市街地コースはメルセデス有利と見る向きが多く、更に今シーズンに関して言えば、リタイヤを除いてハミルトンが6位以下に終わったのはモナコとアゼルバイジャンの2回のみで、現実的に考えればハミルトンの5位以上は固い。
信頼性のトラブルやクラッシュなどの不幸がハミルトンを襲わない限り、タイトル争いは最終F1アブダビGPまで持ち越される可能性が高いと言える。
過去4戦ではいずれもフェルスタッペンとハミルトンが1位と2位を分け合う結果となった。この状況がサウジアラビアでも続く場合、最終戦でのチャンピオン獲得条件はどうなるのか?
以下はサウジアラビアGPで両者が1位と2位を分け合った際にフェルスタッペンのリードがどう変化するかを表したものだ。
フェルスタッペン | ハミルトン | リード |
---|---|---|
優勝+FL | 2位 | 16点 |
優勝 | 2位 | 15点 |
優勝 | 2位+FL | 14点 |
2位+FL | 優勝 | 2点 |
2位 | 優勝 | 1点 |
2位 | 優勝+FL | 0点 |
ポジションにすればたった一つの違いだが、タイトル争いが熾烈であるため次戦での優勝か2位かの違いは決定的となり得る。仮にサウジアラビアGPでフェルスタッペンが優勝+FLを獲得してハミルトンが2位となった場合、リードは16点に拡大する。成績が逆であれば両者は同点で並ぶ。
ハミルトンとしてはジェッダでフェルスタッペンに優勝を許すわけにはいかない。今シーズンに限っては特に”絶対”というものは存在しないが、それでもなお”絶対に落とせない”と言っても良いだろう。
例えばサウジアラビアでフェルスタッペンに優勝を許し、自身が2位+FLの次善点を得たとする。この場合、最終戦で優勝+FLの満額ポイントを獲得してもフェルスタッペンが4位以上でフィニッシュすれば敗北を喫する事になる。
このシナリオでは、両者のポイントは388.5ポイントで並ぶ事になるが、優勝回数が10回のフェルスタッペンが同8回のハミルトンを上回るため、フェルスタッペンがタイトルを手にする事になる。
フェルスタッペンは今年、4戦を除く全てのレースで2位以上を達成している。その内の2つはハミルトンとのクラッシュによってリタイヤを余儀なくされたイタリアGPとイギリスGPだ。
9位に終わったハンガリーでさえ、ボッタスを起点とする玉突の煽りを受けクルマにダメージを追わなければ上位でフィニッシュしていた事だろう。また、リタイヤ(完走扱い18位)に終わったアゼルバイジャンGPもタイヤトラブルがなければ優勝は確実な状況だった。
要は、今季のフェルスタッペンはノートラブルであれば優勝か2位を100%のものとしてきたという事だ。シーズンフィナーレのレースで4位以上の成績を収める可能性は高いと見るべきで、メルセデスとハミルトンは背水の陣で次戦サウジアラビアに臨む事になるだろう。