夜のバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するメルセデスのバルテリ・ボッタス、2020年F1サクヒールGPにてcopyright Daimler AG

ボッタス、F1史上最速ポール!王者不在もメルセデスが最前列…ホンダは僅差の3番手 / F1サクヒールGP《予選》結果とダイジェスト

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2020年 FIA-F1世界選手権16戦サクヒールGPの公式予選が現地12月6日にバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックで行われ、メルセデスのバルテリ・ボッタスがキャリア通算16回目のポールポジションを獲得した。

2番手は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のために欠場を強いられた王者ルイス・ハミルトンに代わり、チャンピオンマシンのステアリングを握ったジョージ・ラッセルで、自身初のQ3進出、初の最前列を獲得した一方、1000分の26秒という僅差でキャリア初の対チームメイト予選敗北を喫し、連勝記録は36連勝で潰えた。

とは言え、小柄なハミルトン用に最適化されたコックピットに185cmの長身を無理やり収めながらも、今週末始めて乗ったW11を匠にコントロールして僚友に遜色ないパフォーマンスを残した事はラッセルの評価を更に押し上げた。メルセデスAMGは7度の王者を欠きながらも今季12回目のフロントロー独占を果たした。

なおボッタスが刻んだ53秒377は、全長3.2kmのディジョン・サーキットで行われた1974年フランスGPでのニキ・ラウダの58秒790を塗り替え、新たなF1史上最速ポールタイムとなった。

決勝は別としても、パワー不足を理由に予選での苦戦を予想していたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは僅差の3番手と奮闘した。上位3台のギャップは僅か1000分の56秒で、F1としては大接戦のポール争いだった。他方、僚友アレックス・アルボンは12番手でQ2敗退を喫した。

アルファタウリ・ホンダ勢はダニール・クビアトが見事6番手タイムを刻み、9番手ピエール・ガスリーに0.248秒という大差を付けて下した。ファエンツァのチームは2戦連続のダブルQ3進出を果たした。

下馬評ではQ2敗退が妥当と思われていたフェラーリであったが、1台の跳馬が奮闘。セバスチャン・ベッテルは13番手でQ2止まりであったが、シャルル・ルクレールが驚きの4番手タイムをマークした。

ルノーとマクラーレンはチームメイト間で明暗が分かれた。

11番手に終わったエステバン・オコンに対し、僚友を寄せ付けないパフォーマンスを発揮し続けているダニエル・リカルドは7番手を刻み、15番手で下位に沈んだランド・ノリスとは対照的に、カルロス・サインツは8番手をマークした。

FP3と角田裕毅がポール・トゥ・ウインを飾ったF2のレース1に引き続き、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温24℃、路面27.2℃、湿度77.4%のドライコンディションでスタート。アウタートラックの全長は約3.5kmと非常に短い上に高速である事から、トラフィックによる大混乱が予想されていたものの、黄旗が勝負を台無しにするような事はなく、”ほどほど”といった程度に収まった。

予選Q1:新人エイトケン大健闘

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、サインツがハード、メルセデス勢とアルファタウリ・ホンダ勢がミディアムでコースイン。ラップをまとめ切れずノックアウトゾーンに沈んだガスリーは、2セット目でソフトに履き替え2番手タイムをマークした。

レッドブル・ホンダとルノーはトラフィックを避けるべく、他車とはシーケンスをずらして残り10分を切ったところでコースイン。フェルスタッペンは第1・第3セクターで全体ベストを刻んでトップに躍り出て、1セットのみで仕事を完了。最終的には、2セット目にソフトを投じたボッタスがトップ通過を果たした。

アルボンは真っ当なタイムが刻めないままに時間切れを迎えたが、15番手ギリギリで次のラウンドに駒を進めた。16番手で敗退を喫したハースのケビン・マグヌッセンとの差は1000分の85秒という僅差で、幸運という他になかった。

ウィリアムズのジャック・エイトケンは始めて挑んだF1予選で、レギュラードライバーのニコラス・ラティフィに1000分の96秒差の18番手と、称賛に値する走りを見せた。

一方、同じく代理参戦のピエトロ・フィッティパルディは、PU交換に伴うグリッド降格が決定している事もありセットアップがレース仕様であったか、僚友マグヌッセンとのタイム差は0.731秒と開き、20番手最下位でクルマを降りた。

ノックアウト

  • ケビン・マグヌッセン(Haas)
  • ニコラス・ラティフィ(Williams)
  • ジャック・エイトケン(Williams)
  • キミ・ライコネン(Alfa Romeo)
  • ピエトロ・フィッティパルディ(Haas)

予選Q2:アルボンが痛恨の敗退

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、決勝を見据えてメルセデス、ルノー、フェラーリの各陣営がミディアムでコースイン。レッドブル・ホンダはフェルスタッペンにミディアム、アルボンにソフトを履かせた。

1セット目を終えてノックアウトゾーンに沈んだのはオコン、ガスリー、ベッテル、ノリス、ジョビナッツィの5台。路面の改善が著しくタイム差が拮抗していた事から、全車が2度目のタイム計測に向かった。

トップ通過はソフトタイヤに履き替えたフェルスタッペン。バージボードを破損しながらもタイムを削って10番手に滑り込んだガスリーまでのギャップは僅か0.294秒だった。アルボンはタイムを更新できずに12番手に後退し、痛恨の敗退を喫した。

ラッセルはキャリア初の最終ラウンドに駒を進め、アルファタウリ・ホンダ勢は2戦連続でダブルQ3進出を果たした。

ノックアウト

  • エステバン・オコン(Renault)
  • アレックス・アルボン(Red Bull)
  • セバスチャン・ベッテル(Ferrari)
  • アントニオ・ジョビナッツィ(Alfa Romeo)
  • ランド・ノリス(McLaren)

予選Q3:ボッタスが意地のポール

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、メルセデス及びサインツが中古のソフトタイヤを履いてコースイン。ガスリーは唯一、新品ミディアムを装着したが、1セット目の暫定トップから1秒以上も遅れ「このタイヤじゃ全然駄目だ」と不満を口にした。

レーシングポイントとクビアトはタイミングをずらして計測を開始。セルジオ・ペレスはフェルスタッペン、ルクレール、ボッタスに次ぐ4番手に並んだが、1セットを終えて早々にクルマを下りたルクレールを横目に、新品ソフトを履いていち早く2セット目のアタックに向かったメルセデス勢が共にタイムを更新した事で最終的に5番手に後退した。

ボッタスが暫定ポール、ラッセルがコンマ1秒遅れの2番手、そしてそのすぐ後にフェルスタッペンが続く状況で迎えたラストアタックでは、ラッセルとフェルスタッペンが自己ベストを縮めるも一歩及ばず、ボッタスが”意地”のポールポジションを獲得する結果となった。

2020年 F1サクヒールグランプリ決勝レースは、日本時間12月7日(日)2時10分にスタート。1周3,543mのバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックを87周する事でチャンピオンシップを争う。

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