ダニエル・リカルド、RBに激怒「250戦の経験の中で最悪の戦略」謝罪するメキーズ代表
入賞圏内9番手からスタートしながらも12位でフィニッシュしたF1ハンガリーGPを経てダニエル・リカルドは、キャリアを通して経験した中で「最悪」のものの一つであったとして、RBのピットウォールが下した戦略決定に対する怒りをぶちまけた。
ミディアムタイヤを履いてグリッドに着いたリカルドは1周目、グリップに優位性のあるソフトを履いたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)とケビン・マグヌッセン(ハース)にポジションを奪われた。それ自体に問題はなかった。
リカルドに不安と怒りをもたらしたのはその6周後のピットストップの指示だった。第1スティントにミディアムを選択した中で最多ラップを走ったのは29周の角田裕毅だが、RBのピットウォールは僅か7周で彼の僚友、リカルドにボックスの指示を飛ばした。
これによりリカルドはソフト勢に対するアドバンテージを自ら捨てた上に、トラフィックの中に埋もれ身動きが取れない状況に追い込まれた。
レースを経て、ピットインがあまりにも早すぎたために、この決断がレースを台無しにするのではと心配したよ、と声を掛けられたリカルドは「疑問に思った?僕も同じことを感じた。正直、ピットインしたくないよね」と返した。
「でも、それが…正しいことじゃないと分かっていても、指示が遅いとそれに疑問を持つ余地がない。1周遅れてしまうとさらに悪化する可能性があるから」
「でも、僕がピットに入った時、ソフトタイヤ勢もピットインしたんだ。僕らはミディアムだというのに」
「さあ、クリーンエアを使って僕らのペースを活かそうって言われて、投げ込まれた先はトラフィックの中、DRSトレインだ。どうしろって言うんだ。みんなが同じタイヤを履いていた」
「…最悪だった。250レース以上の経験の中で最悪の一つだった。長く、いまいましい、そしてフラストレーションの溜まるレースだった。ただただ、…酷く怒りがこみ上げてきた」
1回目のピットストップが早まったことによりリカルドは、ハードを履いた最終スティントを41周も耐え切らなければならなかった。
「早々に自らレースを終わらせてしまったような気分だ。新品タイヤを履いた1周あたり1秒速いクルマと戦うことを期待されて、一体、一体、僕にどうしろって言うんだ?」とリカルドは首を振る。
「ペースがあったのに自分の首を締めただけだった。ステイアウトしてクリーンエアを得て、冷静にやればよかったのに。週末を通してずっとやってきたようにね」
「今日はレースをしたけど、実際にはレースをしていなかった。言いたいこと分かる? ただ走り回っていただけだ」
チーム代表を務めるローラン・メキーズは「残念ながらダニエルに関しては判断を誤ってしまった」と語り、ピットウォールの戦略決定を謝罪した。
「あまりにも早くピットさせてしまい、酷いトラフィックに見舞われたことでポイント獲得のチャンスを失ってしまった」
「彼は週末を通して素晴らしく力強いペースを刻んでいたし、フリーエアーを得たレースの最終スティントでも同じように力強い反撃をみせてくれた」
「彼の悔しさは我々も重々承知している。今回のことから学び、来週はさらに強くなって戻ってくるつもりだ」
2024年F1第13戦ハンガリーGPでは2番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が逆転のキャリア初優勝を飾った。
スパ・フランコルシャンを舞台とする次戦ベルギーGPは7月26日のフリー走行1で幕を開ける。