メディアインタビューに応えるハースF1のニキータ・マゼピン、2021年F1アゼルバイジャンGPにて
Courtesy Of Haas

甥っ子ミック・シューマッハへのニキータ・マゼピンの動きを「命に関わる」と批判するラルフ

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元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、甥っ子ミック・シューマッハに対するニキータ・マゼピンの動きを「命に関わる」として非難。何らかの罰則が科されるべきとの考えを示した。

バクー市街地コースでの51周のレースの内、49周目までチームメイトに先行していたハースF1のドライバーは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の事故に伴う赤旗からの再開時にマゼピンに先行を許した。

だが、ERSに何からのトラブルを抱えていたとするマゼピンからポジションを取り返す事は決して難しくはなく、最終ラップの超ロングストレートでスリップストリームを奪い、最終ターン20に差し掛かるところでこれを完全に捉えた。

だが、オーバーテイクのためにシューマッハがコース右側に寄ったところマゼピンが同じく右に動いた事で、シューマッハは接触回避のために更にステアリングを切り足す必要を強いられた。

クラッシュを免れ何とかマゼピンを抜き去ったシューマッハは、追い抜き様に左を向き、ロシア人ドライバーに向かってジェスチャーで猛抗議。13位でフィニッシュラインを駆け抜けた後「一体何なんだあれは!? マジで。アイツは俺らを殺す気なのか!?」と怒りを爆発させた。

ESPNが投稿した以下のオンボード映像が詳しい。

「ミックは再び完璧な週末を過ごしていた」とするラルフ・シューマッハはSky Sportに寄稿したコラムの中で、レース最終盤に勃発した2周のスプリントレースの際のマゼピンの動きを非難した。

ラルフ・シューマッハは、時速300km超の高速域でのマゼピンの動きは「命に関わる事」であり、こうした高速下において車重750kgものマシン同士が接触すればどうなるかは「想像に難くない」として「全く以て許されるべき事ではない」と主張した。

現役生活を終えて9年目を迎えた45歳のドイツ人はまた、マゼピンはコース外では「とても礼儀正しい立派な若者」としながらも、レース中のドライビングには問題が多いとして、こうした事が許容される状況はF1にとって好ましくなく「到底受け入れられない」と述べ、厳しく罰せられるべきとの考えを示した。

チーム代表のギュンター・シュタイナーは一件についてレース後「ストレートでちょっとした事が起きたが、全て解決済みだ。幾つか誤解があったようだがもう大丈夫だ。全ては前進あるのみだ」と述べるに留めた。どういった”誤解”があったのかは分かっていない。

なお、同郷のセバスチャン・ベッテルの活躍についてラルフ・シューマッハは、安定したリアエンドを好むベッテルにとって歓迎すべき「幾つかの変更」がクルマになされた事もあり、予選では赤旗により「不運」なセッションを強いられたものの、決勝レースでは素晴らしい速さを見せたとして、今後もこの調子で続けていって欲しいと期待を寄せた。

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