優勝したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ザク・ブラウンCEO、2位ランド・ノリス(マクラーレン)、2024年11月30日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of McLaren

ノリス、指示に反してピアストリに「勝利の恩返し」RB勢は揃って後退 / F1カタールGP 2024《スプリント》結果と詳報

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レースを終始リードした僚友ランド・ノリスからトップを譲り受けたオスカー・ピアストリが、現地11月30日にロサイル・インターナショナル・サーキットで行われた2024年FIA-F1世界選手権第23戦カタールGPスプリントで勝利を収めた。

見事な1-2フィニッシュによってマクラーレンは、スプリント最大得点となる15ポイントを獲得した。角田裕毅(RB)は1ポジションダウンの17位に終わった。

3番グリッドからスタートしたピアストリは、開始早々にジョージ・ラッセル(メルセデス)を交わして2番手に浮上するも、以降は防戦に徹する展開となった。そこでノリスは終盤に向け、1-2を死守すべくペースを意図的にコントロールしてピアストリにDRSを与えた。

チェッカーフラッグ目前、チームからの指示に反してノリスは、スピードを落としコース脇に寄る形でピアストリに勝利を譲った。これはブラジルで自身が受けたプレゼントに対する「恩返し」だった。

サンパウロGPでは、ノリスがまだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とタイトル争いを繰り広げていたため、ピアストリがスプリント勝利を譲る形でノリスを支援した。

ノリスと3位ラッセルとの差は僅かコンマ4秒。一歩間違えば1-2を失いかねなかった。

レース後、ノリスはピアストリを手助けするためにペースを抑えていたことを明かし、チェッカー前の順位交代について次のように説明した。

「イメージしていたより少し際どかったかもしれないけど、ブラジルを終えてから、そうするつもりだったんだ。チームには止められていたんだけど、自分ならやれるって思ったし、実際なんとかなった」

「正直、気にしちゃいない。スプリントで勝つためにここにいるわけじゃない。僕が目指しているのはグランプリでの勝利とチャンピオンシップだからね」

僚友オスカー・ピアストリを先導するランド・ノリス(マクラーレン)、2024年11月30日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of McLaren

僚友オスカー・ピアストリを先導するランド・ノリス(マクラーレン)、2024年11月30日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

逆転タイトルを狙うフェラーリ勢は1周目、カルロス・サインツの車体が振られる場面があり、これが偶然にも僚友シャルル・ルクレールを妨害。この隙を突いたルイス・ハミルトンが5番手に浮上するも、13周目に抜き返され、サインツがルクレールとハミルトンをリードする形で4位フィニッシュした。

この結果、フェラーリは日曜日の本戦を前に、マクラーレンに対して30ポイントのビハインドを抱える状況となった。最終アブダビGPで獲得可能な最大ポイントは44点。1戦を残してマクラーレンがコンストラクターズタイトルを確定させる現実的な可能性が出てきた。

2024年のチャンピオン、フェルスタッペンは立ち上がりで遅れを取り、1周目を終えて3ポジションダウンのポイント圏外に後退したが、8周目のターン1でDRSを使用してピエール・ガスリー(アルピーヌ)を攻略。ポイント圏内に復帰した。

一方、それ以上の進展はなく、ニコ・ヒュルケンベルグに近づくことすらできずに8位フィニッシュした。その結果、ハースはコンストラクターズ選手権6位争いでアルピーヌに対するリードを広げる形となった。

サスペンションのセットアップ変更によって、セルジオ・ペレス(レッドブル)とフランコ・コラピント(ウィリアムズ)はパルクフェルメ規定違反に伴い、ピットレーンスタートを命じられた。

角田裕毅は繰り上がりの16番グリッドに着いたが、エステバン・オコン(アルピーヌ)と唯一ソフトをスタートタイヤに選んだ周冠宇(ザウバー)に追い抜きを許し、1周目を終えて18番手に後退した。

周冠宇はその後、ソフトタイヤの急激なデグに見舞われ、7周目にRBの2台に立て続けに追い抜きを許すと、その後もコラピントとペレスにもポジションを奪われ、12周目にミディアムタイヤに履き替えた。

周冠宇と並び、唯一ピットに入ったのはペレスだった。ピットレーンからのスタート時、ピットライトが青に変わっても動き出さず、後方コラピントに先行を許したペレスは、残り5周でピットに入り、フロントウイングを交換した。予選及び決勝に向けたデータ収集目的と見られる。

スプリント予選でSQ3進出を果たしたリアム・ローソンはオープニングラップで誰よりも多い7ポジションを失うと、チームメイトの角田裕毅を1秒圏内に従えて16位でフィニッシュした。


全3ラウンド、計1時間が予定されるF1カタールGPの公式予選は、日本時間11月30日(土)27時からロサイル・インターナショナル・サーキットにて行われる。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第23戦カタールGPスプリントリザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 19 27:03.010 8
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 19 +0.136s 7
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 19 +0.410s 6
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 19 +1.326s 5
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 19 +5.073s 4
6 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 19 +5.650s 3
7 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 19 +8.508s 2
8 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 19 +10.368s 1
9 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 19 +14.513s 0
10 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 19 +15.485s 0
11 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 19 +19.204s 0
12 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 19 +23.351s 0
13 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 19 +24.421s 0
14 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 19 +30.379s 0
15 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 19 +33.062s 0
16 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 19 +34.356s 0
17 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 19 +35.102s 0
18 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 19 +35.639s 0
19 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 19 +71.436s 0
20 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 19 +74.371s 0

コンディション

天気晴れ
気温21℃
路面温度26℃

セッション概要

グランプリ名 F1カタールGP
セッション種別 スプリント
セッション開始日時

サーキット

名称 ロサイル・インターナショナル・サーキット
設立 2004年
全長 5419m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1カタールGP特集