ドライバーズ・チャンピオンシップを3年連続で制してクルマを降りたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年10月7日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

僅か19周で3度のSC…フェルスタッペン、決勝を前に選手権3連覇! / F1カタールGP《スプリント》結果とダイジェスト

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2023年FIA-F1世界選手権第18戦カタールGPスプリントが10月7日(土)に行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位フィニッシュを飾って3年連続、3度目のドライバーズチャンピオンに輝いた。スプリントでタイトルが決定するのは史上初。

セバスチャン・ベッテルが保持していた記録を塗り替える10連勝を飾り、チームメイトの力を借りずともコンストラクターズ選手権王座を獲得するに余りある大量ポイントを稼ぐなど、今季のフェルスタッペンは一層、支配的な力を誇示。文句なしのタイトル獲得となった。

3度目のチャンピオン獲得を喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年10月7日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

3度目のチャンピオン獲得を喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年10月7日F1カタールGPスプリント(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

そんなフェルスタッペンのスプリント優勝による戴冠を阻止したのは、ポール・トゥ・ウインを果たしたルーキーのオスカー・ピアストリだった。3位にはランド・ノリスが続き、マクラーレンが躍動した。

ミディアムタイヤを履いて18番グリッドに着いた角田裕毅(アルファタウリ)はバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に続く12位でクルマを降りた。

僅か19周というレースで3度に渡ってセーフティーカー(SC)が導入されるとは、一体、誰が想像しただろうか。埃まみれの路面はドライバーを翻弄し、5名がチェッカーフラッグを受けずにレースを終えた。

タイヤ選択は真っ二つに分かれた。即座に作動するものの短命のソフトタイヤと、スタートやリスタートの度に脆くもロングライフが期待できるミディアム。序盤はソフト勢が怒涛の勢いを見せたが、レースディスタンスを半分も消化すると一転、ミディアム勢の逆襲が始まった。

ミディアムを選んだフェルスタッペンは1周目に5番手にまで後退するが、10周目と11周目に立て続けにフェラーリ勢を交わして3番手に復帰。残り4周で2番手に上げると、2.5秒前方のピアストリを追いかけたが、その背中は遠く1.8秒届かなかった。

ソフトスタートのジョージ・ラッセル(メルセデス)は2度目のSCからのリスタートでピアストリを交わして首位に躍り出るも、終盤に向けてのペースダウンは避けられず4位でフィニッシュした。対照的にミディアムを履いたチームメイトのルイス・ハミルトンは12番手スタートながらも5位フィニッシュと、大きく挽回した。

2台共にソフトを履いたフェラーリ勢はカルロス・サインツが6位、シャルル・ルクレールが7位と、各々1つずつポジションを下げる結果となった。ただしルクレールに関してはランス・ストロール(アストンマーチン)共々、4回に渡って正当な理由なくコースを外れたとしてレース後に5秒ペナルティが科され11位に降格となった。

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は2回目のSC再開時に、角田裕毅と並ぶ最後尾に沈んでいたものの、オーバーテイクを積み重ねて8位フィニッシュの繰り上がり7位を獲得した。ルクレールの降格によりフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が入賞最後の一枠、8位に滑り込んだ。

オープニングラップではリアム・ローソン(アルファタウリ)が単独でグラベルに飛び出し、早くも1回目のSCが導入された。レースは3周目に再開されるも、今度はローガン・サージェント(ウィリアムズ)が単独で飛び出し、再びSCの出番となった。

立て続けのSC導入によりソフト勢は大きなアドバンテージを得たが、2周も連続走行が続けばミディアムタイヤにも熱が入る。7周目にレースが再開されると、徐々にソフト勢の後退が始まった。

11周目、ミディアムを履くピアストリがDRSを使ってターン1でラッセルをオーバーテイクした直後、8位争いを繰り広げていた3台による多重クラッシュがターン2で発生した。

3台が完全な横並びとなる中、イン側にいたエステバン・オコン(アルピーヌ)がニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の左フロントに足を引っ掛け、この衝突にアウト側のセルジオ・ペレス(レッドブル)が巻き込まれた。一件は審議の対象となったが、スチュワードはお咎めなしの裁定を下した

ヒュルケンベルグは自力でガレージにクルマを入れたが、オコンとペレスはグラベルに捕らわれ、3回目のSCが導入された。レースは残り5周で再開されたが、ペレスのリタイヤが決まった瞬間、フェルスタッペンのタイトルが確定した。

トロフィーを手に写真を撮るスプリント優勝者のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と3位のランド・ノリス(マクラーレン)およびステファノ・ドメニカリ(フォーミュラワングループCEO)とモハメド・ベン・スレイエム(FIA会長)、2023年10月7日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

トロフィーを手に写真を撮るスプリント優勝者のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と3位のランド・ノリス(マクラーレン)およびステファノ・ドメニカリ(フォーミュラワングループCEO)とモハメド・ベン・スレイエム(FIA会長)、2023年10月7日(土) F1カタールGP(ロサイル・インターナショナル・サーキット)

2023年F1第18戦カタールGPスプリントリザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 19 35:01.297 8
2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 19 +1.871s 7
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 19 +8.497s 6
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 19 +11.036s 5
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 19 +17.314s 4
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 19 +18.806s 3
7 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 19 +19.864s 2
8 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 19 +21.180s 1
9 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 19 +21.742s 0
10 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 19 +22.208s 0
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 19 +24.860s 0
12 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 19 +22.863s 0
13 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 19 +24.970s 0
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 19 +26.868s 0
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 19 +29.523s 0
NC 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 11 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 10 DNF 0
NC 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 10 DNF 0
NC 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 2 DNF 0
NC 40 リアム・ローソン アルファタウリ・ホンダRBPT 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温27℃
路面温度41℃

セッション概要

グランプリ名 F1カタールGP
セッション種別 スプリント
セッション開始日時

サーキット

名称 ロサイル・インターナショナル・サーキット
設立 2004年
全長 5419m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1カタールGP特集