アルガルベ・サーキットを走行するルノーのエステバン・オコン、2020年F1ポルトガルGPにて
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ルノー:何たる凡ミス… ダニエル・リカルドに”誤ったタイヤ”を履かせて警告処分

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ルノーF1チームは、10月23日(金)のF1第12戦ポルトガルGPにて行われたピレリのブラインドテストにおいて、本来装着すべきセットではない”誤ったコンパウンド”を履かせる凡ミスを犯し、スチュワードから警告処分を受けた。

FP2の冒頭30分間は、2021年シーズン用の13インチ・プロトタイプタイヤのテストプログラムに費やされた。正確な数は公表されていないが、ピレリは来季用に開発した8~10種類程度のコンパウンドを持ち込み、全10チームにテスト走行を義務付けた。

一切の情報が伏せられたまま3セットずつがチーム側に供給され、ピレリの指示に従って1台にロングラン用の1セットが、もう1台に2セットが割り当てられた。リカルドは2セットを担当する役割を与えられた。

だがルノーはリカルド用の2セットに関して左フロントタイヤを誤って入れ替えてしまい、左前輪タイヤのみがもう1セットの別仕様という状態で走行していた。テクニカルデリゲートはこの事実をスチュワードに報告。ヴィタリー・ペトロフを含む4名のスチュワードはチーム代表者からの聴取を得て、FIA国際スポーティング・コード第12条3項1.aへの違反を認めた。

ただし、問題となったのは来季用の開発タイヤであり、取り違えた事でルノーが利益を得たわけでもないため、スチュワードは警告処分に留めた。無論、ピレリとしても求めていたデータが得られず、テストが台無しになってしまったわけではあるが。。

今シーズンに使用されている通常のコンパウンドとは異なり、開発用タイヤはサイドウォールに識別番号がプリントされているのみで色分けされておらず、外観上の見た目ではパッと見の区別がつかなず、ミスを誘発しやすい状況であった事は確かだ。

ニュルブルクリンクでの表彰台が象徴的であるように、過去数戦のR.S.20は高い競争力を発揮してきたが、ダニエル・リカルドは13番手、エステバン・オコンは9番手という冴えないポジションで初日を終えた。

チーフ・レースエンジニアを務めるシアロン・ピルビームは「ここ最近の週末と比べてマシンバランスがあまり良くない」と述べ、セットアップ作業に苦労している事を明かした。

ルノー:F1ポルトガルGP初日を終えて

ダニエル・リカルドFP2: 13位, FP1: 9位

このコースはアップダウンが激しくて死角が多く最高だね。舗装がかなり新しいからグリップが低くてドライブするには少し難しいけど、それは誰にとっても同じ事だ。今日はあまり走り込めなかったから全体的には少しフラストレーションが溜まる1日だった。

今晩解決しなきゃならない課題があるのは確かだけど大丈夫だと思う。明日のセッションで問題のないクリーンなラップを走り、タイヤを上手くマネジメントできるかどうかは運次第だろうね。

エステバン・オコンFP2: 9位, FP1: 19位

初めて走るコースだったから、今日は本当に慌ただしかった! コースはジェットコースターみたいで、アップダウンが多く、ドライブしていて本当に楽しかった。

グリップが不足していたため今日は少し苦戦してしまったけど、ここは過去に走った事のあるコースとは全然違うね。それにタイヤテストがあったから午後の走行が制限される事になった。

何しろグリップという点で今までに走行した事のあるサーキットとは全く異なるから、明日はこの点が鍵になる。最大限のグリップを引き出さなきゃならない。


初日はバルテリ・ボッタス(メルセデス)が両セッションで最速タイムを刻んだ。FP2では車両火災とクラッシュの影響で2度に渡って赤旗が振られる中、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2番手に、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番手に続く結果となった。

F1ポルトガルグランプリ3回目のフリー走行は日本時間10月24日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってアルガルベ・サーキットで開催される。

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