アルガルベ・サーキットを走行するメルセデスW11、2020年F1ポルトガルGPフリー走行1
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F1ポルトガルGP:パワーユニット投入状況…ホンダ以外の全10台が交換を実施

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国際自動車連盟(FIA)テクニカルデリゲートの正式発表を元に、2020年F1第12戦ポルトガルGPフリー走行1開始時点(10月23日現地11時)における各ドライバー(マシン)毎のパワーユニット投入状況を以下にまとめる。

エンジン全開率70%を誇るアルガルベ・サーキットでの週末に際して、ホンダを除く3つのマニュファクチャラーが各車に新たなコンポーネントを投じた。

メルセデスは前戦アイフェルGPで発生したバルテリ・ボッタスの電気系統のトラブルを受けて、問題の原因となったCE(コントロール・エレクトロニクス)を交換すると共に、問題の再発を避けるためにキャリブレーションを実施。ワークスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスに加えて、ウィリアムズのジョージ・ラッセルがCE交換を行った。

他のメルセデスPU勢は既にCEが年間上限基数の2基目に達しているため、更なる交換を行えばグリッド降格ペナルティが科せられる。おそらくは罰則とトラブル発生の確率を天秤にかけ、既に使用済みのCEを継続する事を選んだものと思われる。

なおハミルトンとボッタスはCEに加えて、今季2基目のES(バッテリー)へと交換。レーシングポイントのセルジオ・ペレスは、今季3基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、NGU-Hへの交換を行った。こちらは年間使用計画に基づいた対応と考えられる。

上限目一杯となる3基目のICEを投入したのはペレスだけではない。フェラーリのシャルル・ルクレール、アルファロメオのキミ・ライコネン、そしてハースのロマン・グロージャンも同様に、最後の1基に手を付けた。なおルクレールは3基目のターボチャージャー、ライコネンは3基目のMGU-Hも同時投入している。

ルノー勢はワークスのエステバン・オコンに加えて、マクラーレンのカルロス・サインツとランド・ノリスを合わせた3台が今季2基目のESおよびCEの封を切った。

いずれもレギュレーションで許可された範囲内での交換であるため、現時点で以上の10台に罰則が科される事はない。

V6ハイブリッド・ターボ導入7年目の今年は、年間最大3基のICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kと、最大2基のES及びCEをペナルティなしに使用する事ができるが、チャンピオンシップの開催レース数が14以下、更には11以下に下がる毎に、使用基数が削減される仕組みとなっている。

現時点ではヤス・マリーナ・サーキットでのアブダビGPまでの全17戦の開催が計画されている。

F1ポルトガルGP:パワーユニット投入状況

Team Driver ICE TC MGU-H MGU-K ES CE
メルセデス L.ハミルトンHAM 3 3 3 3 2 2
メルセデス V.ボッタスBOT 3 3 3 3 2 2
フェラーリ S.ベッテルVET 3 3 3 2 2 2
フェラーリ C.ルクレールLEC 3 3 3 2 2 2
レッドブル・ホンダ M.フェルスタッペンVER 3 3 3 3 2 2
レッドブル・ホンダ A.アルボンALB 3 3 3 3 2 2
マクラーレン・ルノー C.サインツSAI 2 2 2 2 2 2
マクラーレン・ルノー L.ノリスNOR 3 3 3 3 2 2
ルノー D.リカルドRIC 3 3 3 3 1 1
ルノー E.オコンOCN 2 2 2 2 2 2
アルファタウリ・ホンダ D.クビアトKVY 3 3 3 3 2 2
アルファタウリ・ホンダ P.ガスリーGAS 3 3 3 3 2 2
レーシングポイント S.ペレスPER 3 3 3 2 2 2
レーシングポイント L.ストロールSTR 3 3 3 3 2 2
アルファロメオ K.ライコネンRAI 3 2 3 2 2 2
アルファロメオ A.ジョビナッツィGIO 2 2 2 2 2 2
ハース・フェラーリ R.グロージャンGRO 3 3 3 2 2 2
ハース・フェラーリ K.マグヌッセンMAG 3 2 2 2 2 2
ウィリアムズ・メルセデス J.ラッセルRUS 3 3 3 2 1 2
ウィリアムズ・メルセデス N.ラティフィLAT 2 2 2 2 2 2

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