ザントフォールト・サーキットのホームストレートを駆け抜けるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月3日F1オランダGPのフリー走行1にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ベッテル停車で長期赤旗、フェルスタッペン好発進も角田裕毅はエンジントラブル / F1オランダGP《FP1》結果とダイジェスト

  • Published: Updated:

36年ぶりの復活を遂げたシーズン13戦目となる2021年F1世界選手権オランダGPが9月3日にザントフォールト・サーキットで開幕を迎え、日本時間18時30分から金曜1回目のフリー走行が行われた。

赤旗による40分近い中断を強いられたグランプリ一発目のセッションを制したのはルイス・ハミルトン(メルセデス)。1分11秒500のトップタイムを記録した。2番手には1000分の97秒差で地元の英雄、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、3番手にはコンマ1秒遅れでカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。

金曜午前の現地ザントフォールトは好天に恵まれ、大改修された海辺の脇のコースを舞台とする第一セッションは気温18.5℃、路面温度24℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは18度ものバンク角を持つこのコースに最も硬いレンジのC1からC3までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

隣が海という独特のロケーション故に、ザントフォールトはトラック全面に砂埃が舞う傾向にある。走行を通して路面にラバーが載りさえすればグリップが問題となる事はないが、FP1の大部分はレッドフラッグによって中断を強いられた。

開始から15分が過ぎたところでセバスチャン・ベッテルがコース脇にアストンマーチンAMR21を停め「エンジンが壊れた」と報告した。36年ぶりの開催という事でマーシャル達も不慣れな様子で、ベッテル自ら消化器を手にした。

エンジン交換は避けられない見通しで、おそらくはFP2に向けてストック済みのパワーユニットに載せ替える事が予想されるが、FP2開始はFP1のチェッカーフラッグから2時間後であり時間は限られている。

トラブル発生の直前、ベッテルはMGU-Kに問題があるとしてピットに入っていった。チームは問題を解決したと考え再びコースに送り出したものの、待っていたのはグリッド降格ペナルティに繋がりうるエンジントラブルだった。ベッテルは既に3基目のICE(内燃エンジン)を開封済みで、4基目を投じればペナルティが科される。

ハイブリッドシステムの漏電の恐れがあった事で車両の撤去は中々進まず、セッションが再開されたのは残り6分を切った最終盤で、実質的にフリー走行1回分を失った形となった。ただでさえ今季はプラクティスが90分から60分へと短縮されているだけに、チームとドライバーはFP2で非常に慌ただしくプログラムを消化しなければならない。

ベッテルと角田裕毅を除く全18台はグリーンフラッグと同時にコースに出ていき、ソフトタイヤでのクイックラップに取り組んだ。コース上にはトラフィックが多く発生し、予選さながらの接近戦が繰り広げられた。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)はノータイム最下位でセッションを終えた。

日本人ルーキーは空力データを収集すべくエアロレイクを前輪後方に取り付け、セッション開始と同時にコースインするも、低速走行中のターン10でリアを失いスピン第一号となった。幸いにもクルマにダメージはなかった。

冷えたタイヤに翻弄されたものと見られたが、マシントラブルによるスピンであった可能性もある。チームはその後、マシンに「調査を要する問題」が発見されたため、タイム計測を見送ったと説明。その後、パワーユニットにトラブルが発生していた事が明らかとなった。

2021年F1第13戦オランダグランプリ2回目のフリー走行は、日本時間9月3日(金)22時から1時間の日程で開催される。

2021年F1第13戦オランダGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:11.500 17
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:11.597 +0.097 18
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:11.601 +0.101 19
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:11.623 +0.123 18
5 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:11.738 +0.238 18
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:12.158 +0.658 18
7 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:12.231 +0.731 17
8 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:12.359 +0.859 18
9 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:12.431 +0.931 18
10 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:12.515 +1.015 19
11 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:12.679 +1.179 18
12 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:12.907 +1.407 16
13 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:13.053 +1.553 20
14 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:13.081 +1.581 18
15 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:13.181 +1.681 15
16 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:13.328 +1.828 18
17 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:13.516 +2.016 14
18 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:13.847 +2.347 17
19 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:15.984 +4.484 6
20 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 3

コンディション

天気晴れ
気温18.5℃
路面温度24℃

セッション概要

グランプリ名 F1オランダGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 ザントフォールト・サーキット
設立 1948年
全長 4307m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オランダGP特集