ピレリ・ポールポジション・アワードを手にファンの歓声に応えるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月4日F1オランダGP予選にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペン母国PPでホンダ1-4!最終更新なければハミルトンと”同計時”の激戦 / F1オランダGP《予選》結果とダイジェスト

  • Published: Updated:

2021 FIA-F1世界選手権第13戦オランダGPの公式予選が9月4日にザントフォールト・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季7度目、前戦ベルギーGPに続く2戦連続のポールポジションを獲得した。

フェルスタッペンは最終Q3の1回目のラップで1分8秒923をマーク。最終アタックでこれを1000分の38秒更新する1分8秒885を刻み、1985年以来、36年ぶりのF1オランダGP予選で最速の称号を手にした。

チームとしては嬉しい反面、厳しい結果ともなった。セルジオ・ペレスはトラフィックに阻まれ16番手でQ1敗退を喫した。後方グリッドに沈んだ事を機に、レッドブル・ホンダは決勝レースに向けて全パワーユニット・コンポーネントの交換を行い、ペレスのグリッド降格ペナルティを消化するものとみられる。

2番手にはポイントリーダーのルイス・ハミルトンが喰らいついた。Q3の1回目の計測を終えた時点でのフェルスタッペンとのタイム差は0.345秒と開いていたが、最終ラップで僚友バルテリ・ボッタスを交わし、1000分の38秒差の2番手タイムを記録した。

フェルスタッペンが最終アタックで自己ベストを塗り替えていなければ、ハミルトンは全くの同タイムでチャンピオンシップ争いのライバルに並んでいた事になる。

ミッドフィールド最速はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーだった。チームメイトの角田裕毅が15番手でQ2敗退を喫した一方、3番手ボッタスに0.256秒と迫る4番手タイムをマークした。

3列目にはスクーデリア・フェラーリ勢が並んだ。シャルル・ルクレールは5番手、カルロス・サインツは0.01秒差の6番手につけた。

アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィはアルピーヌの2台を抑えて7番手を刻む健闘を見せた。8番手エステバン・オコンは1000分の23秒差でフェルナンド・アロンソを9番手に抑えた。10番手にはダニエル・リカルド(マクラーレン)が滑り込んだ。

午前のFP3に引き続き午後の現地ザントフォールトも晴天に見舞われ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温18.8℃、路面35.1℃、湿度63.1%のドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC1、ミディアム(黄色)にC2、ソフト(赤色)にC3コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。

予選Q1:ペレス敗退の波乱

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、時間を経る毎にコンディションが改善し、タイムシートが大きく入れ替わる展開となった。

結果的に言ってもザントフォールトでのRB16Bはポールポジション争いのポテンシャルを秘めていたわけだが、ペレスはピットレーン上でのトラフィックに加えてアウトラップが遅かったがために2回目のラップを開始する事ができず16番手でヘルメットを脱いだ。

2021年9月4日のF1オランダGP予選でザントフォールト・サーキットを走るレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年9月4日のF1オランダGP予選でザントフォールト・サーキットを走るレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレス

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)もまた、最終セクターで2台のハースに前を塞がれ17番手でノックアウトを喫した。

一件はセッション終了後に審議が行われお咎めなしの裁定が下ったものの、この混乱へと至る道中でのトラックポジションを巡ってニキータ・マゼピンは、チームメイトのミック・シューマッハを「図々しい」等として批判した。

フェラーリはFP3でクラシュしたサインツのマシンを見事、時間内に修復してコース上に送り出した。懸念されたエンジンやギアボックス交換の必要はなく、サインツは2番手でQ2進出を果たした。

メルセデスは唯一、ミディアムタイヤを履いて計測を終えた。

コロナ陽性反応のキミ・ライコネンの代役として急遽、FP3よりアルファロメオC41のステアリングを握ったロバート・クビサは、緊急登板から60分程しか走れていなかったもののハース勢を抑える好走を見せ、18番手でクルマを降りた。

ノックアウト

  • セルジオ・ペレス
  • セバスチャン・ベッテル
  • ロバート・クビサ
  • ミック・シューマッハ
  • ニキータ・マゼピン

予選Q2:ウィリアムズ、Wクラッシュ

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、2台のウィリアムズが相次いでクラッシュを喫し、立て続けに2度の赤旗が振られる展開となった。

まずは残り3分54秒。第1・2セクターで自己ベストを刻んでいたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)がターン13でグラベルに飛び出した。FW43Bはリアからバリアに衝突した。

リアサスペンションにダメージを負ったものの、ラッセルは砂利を押しのけてピットへと戻った。レースコントロールは赤旗を提示した。

バリアの確認と路面に飛散した砂利の清掃を終えてセッションが再開されると、先陣を切ってアタックラップに向かったニコラス・ラティフィがターン8でグラベルを乗り越えてバリアに激突した。

再び赤旗が振られたが、残り時間が90秒強ほどであったためセッションは再開されずそのまま終了となり、1セット目の計測ラップがQ2のリザルトとなった。

角田裕毅は一回目のラップを終えて暫定10番手のジョビナッツィから1.281秒落ちのノックアウト・ゾーン15番手に並んでいたため、Q2最下位での敗退となった。

週末を通して好調だったランド・ノリス(マクラーレン)は今季初のQ2敗退を喫した。

ノックアウト

  • ジョージ・ラッセル
  • ランス・ストロール
  • ランド・ノリス
  • ニコラス・ラティフィ
  • 角田裕毅

予選Q3:フェルスタッペンが母国ポール

20分弱に渡るラティフィのクラッシュ処理を経て、トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3がグリーンフラッグを迎えると、全10台が一斉にコースへと向かっていった。

フェルスタッペンは1回目のアタックラップで1分8秒923をマーク。ボッタスを0.22秒、ハミルトンを0.345秒突き放して暫定ポールにつけると、最終アタックでこれを1000分の38秒更新して”オレンジ・アミー”達を沸かせた。

2021年 F1オランダグランプリ決勝レースは、日本時間9月5日(日)22時にスタート。1周4,259mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1第13戦オランダGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:10.036 1:09.071 1:08.885 15
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:10.114 1:09.726 1:08.923 17
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:10.219 1:09.769 1:09.222 17
4 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:10.274 1:09.541 1:09.478 17
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:09.829 1:09.437 1:09.527 18
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:10.022 1:09.870 1:09.537 19
7 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:10.050 1:10.033 1:09.590 17
8 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:10.179 1:09.919 1:09.933 17
9 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:10.435 1:10.020 1:09.956 13
10 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:10.255 1:09.865 1:10.166 17
11 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:10.382 1:10.332 13
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:10.438 1:10.367 13
13 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:10.489 1:10.406 13
14 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:10.093 1:11.161 16
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:10.462 1:11.314 15
16 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:10.530 9
17 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:10.731 7
18 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 1:11.301 9
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:11.387 11
20 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:11.875 10

コンディション

天気晴れ
気温18.8℃
路面温度35.1℃

セッション概要

グランプリ名 F1オランダGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ザントフォールト・サーキット
設立 1948年
全長 4307m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オランダGP特集