表彰台の上で優勝トロフィーを掲げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年9月5日F1オランダGP決勝レースにて
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フェルスタッペン、母国優勝で選手権リードを奪還「最高だ!」ガスリーは殊勲4位 / F1オランダGP《決勝》結果とダイジェスト

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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第13戦オランダGP決勝レースが9月5日に1周4,307m、全14コーナーのザントフォールト・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが母国完勝を飾った。

フェルスタッペンは地元の観衆の大声援を受けながら72周のレースを危なげなくコントロールし、36年ぶりのF1オランダGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)に20.9秒差をつけトップチェッカーを受けた。3位表彰台にはバルテリ・ボッタスが滑り込んだ。

この勝利によってフェルスタッペンはチャンピオンシップでのポイントリーダーの座を2戦ぶりに奪還。ラップ10周目にはキャリア通算1000周目のリードラップを記録した。また、ホンダF1パワーユニットとしては今季8勝目となった。

チェッカーフラッグと同時にサーキットは地鳴りのような大声援に包まれ、至るところでオレンジ色のスモークが空高く舞い上がった。

優勝インタビューに臨んだフェルスタッペンは「ご覧の通り、ただただ信じられない位に最高だ。高まる期待に応える事ができて本当に嬉しいよ。最高の日になったし、観客のみんなも同じ様に最高だ」と喜びを語った。

その他のホンダエンジン勢は、アルファタウリのピエール・ガスリーが25周目という早い段階でミディアムタイヤに履き替えたにも関わらず、難しい2ストップ戦略をやり遂げて見事4位入賞を飾った。

また、パワーユニット交換とセットアップ変更によるパルクフェルメ違反によってピットレーンからスタートしたセルジオ・ペレスは、自身のミスによって余計に1ストップ多いピットを消化しながらも、66周目にランド・ノリス(マクラーレン)を、79周目にエステバン・オコン(アルピーヌ)を料理して8位フィニッシュを果たした。世界中のファンはこの日のDriver of the Dayにペレスを選んだ。

ホンダ勢3台がトップ10でレースを終えた一方、角田裕毅は50周目に「パワーを失った」と無線で報告した後、ガレージにクルマを収めてリタイヤした。チーム代表のフランツ・リストはドライブトレインに問題が発生したと説明した。

未完走は角田裕毅を含めて3台。ニキータ・マゼピン(ハース)は44周目に、ピットレーンの速度制限違反によって5秒ペナルティを受けたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)は残り2周というところでリタイヤを選択した。

決勝は日本時間5日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4,259mのコースを72周する事で争われた。

FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシはレースを前に、チームに対して通達を発行。ピットレーンが非常に狭い事を踏まえ、ピットストップの際にファストレーンを走行する他車への妨げがあった場合はスポーツマンシップに反する行為として、FIA国際スポーティングコード第12条2項1.lに基づく規則違反とみなすと警告した。実際、これに該当するインシデントは発生しなかった。

ピットレーン上のトラフィックと低速アウトラップの影響で予選Q1敗退となる16番手に終わったペレスは決勝を前に、今季4基目となる各パワーユニット・コンポーネントを開封し、巻き返しのためにセットアップを変更した。

また予選Q2でクラッシュしたニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は、テクニカルデリゲートの承認を得た上でギアボックスと合わせて、予選時とは異なるスペックのフロントウィング並びにノーズ・アッセンブリーに交換し、ペレス共々、パルクフェルメ違反によってピットレーンからレースに臨んだ。

日曜の現地ザントフォールトは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温21℃、路面35.7℃、湿度53.7%のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。ラッセル、ランド・ノリス、ロバート・クビサに加えてハース勢がミディアムを選択し、ピットレーンスタートのペレスはハード、他の全車はソフトを履いてグリッドについた。

コース脇をグラベルが取り囲むオールドファッションなレイアウトという事で、コーション多発のレースが予想されたものの、黄旗が振られたのは37周目にセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がターン3でリアを失いハーフスピンした際の1度のみで、赤旗もセーフティーカーもないノンストップレースとなった。この際は背後にリードラップ3番手を走るボッタスが接近しており、あわや接触かというシーンであったが大事に至ることはなかった。

注目のオープニングラップでは、フェルスタッペンが路面を上手く蹴り出してホールショットを奪い、僅か1周で1.5秒差をつけ一気に後続を突き放しにかかった。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)はラッセルやアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)と接触がありながらも1周目を終えて2ポジションアップの7番手に浮上した。逆にジョビナッツィは3ポジションダウンの10番手に後退した

最後方スタートのペレスはターン1でマゼピンに仕掛けた際に右フロントをロックアップさせてしまい、9周目というあまりに早い段階でミディアムへの交換を余儀なくされた。

優勝争いは終始、白熱した接戦ながらも常にハミルトンが先行して動かざるを得ない展開で、その度にフェルスタッペンが着実にカバーしていった。

まずは21周目にハミルトンが先んじてピットに入りミディアムタイヤに履き替えた。レッドブル陣営は即座にこれをカバーし、翌周にフェルスタッペンをピットに入れ同じくミディアムタイヤに交換した。

メルセデスは再度アンダーカットを狙い、40周目に再びミディアムタイヤに交換するも、ラップリーダーのフェルスタッペンはその翌周にピットを消化しハードタイヤに履き替え、ハミルトンの前方3.3秒の位置でコースに戻った。

メルセデス陣営はハミルトンのフォローのためにボッタスを徹底的に使い倒した。

まずはフェルスタッペンの前に壁を作るため第1スティントを引き伸ばしたが、31周目のターン1で難なく交わされピットに入った。

その後は、ボッタス自身が疑問を投げかける3度目のピットストップ(68周目)を指示した。恐らくはハミルトンに確実なフリーストップを与えるための措置だったものと思われる。

ハミルトンは既にファステストラップを保持していたが、フェルスタッペンに更新される恐れがあった。そのためメルセデスは最後に新品のソフトを与えてより速いタイムを記録させる計画を立てた。

最終盤の不可解なストップに対してボッタスはその理由を尋ね、エンジニアは「予防措置だ。タイヤのバイブレーションのためだ」「ルイスが最後にフリーストップを行う」「予防措置」と返した。

メルセデスは残り2周でハミルトンを3度目のピットに呼びソフトタイヤを履かせたが、ボッタスは誤ってファステストを塗り替えてしまった。だが幸いにもハミルトンは1分11秒097をマークしてこれを奪取し、最後の仕事をやり終えた。

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 72 1:30:05.395 25
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 72 +20.932s 19
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 72 +56.460s 15
4 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 71 +1 lap 12
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +1 lap 10
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 71 +1 lap 8
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 71 +1 lap 6
8 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 71 +1 lap 4
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 71 +1 lap 2
10 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 71 +1 lap 1
11 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 71 +1 lap 0
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 70 +2 laps 0
13 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 70 +2 laps 0
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 70 +2 laps 0
15 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 70 +2 laps 0
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 70 +2 laps 0
17 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 69 DNF 0
18 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 69 +3 laps 0
NC 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 48 DNF 0
NC 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 41 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
21℃
路面温度
35.7℃
周回数
72

レース概要

グランプリ名
F1オランダGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
ザントフォールト・サーキット
設立
1948年
全長
4307m
コーナー数
14
周回方向
時計回り

F1オランダGP特集