レッドブルRB8でコース改修後のザントフォールト・サーキットを走行するマックス・フェルスタッペン
Courtesy Of Circuit Zandvoort

F1オランダGP:新生ザントフォールトをオンボード映像とコース解説で予習

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F1オランダGPの舞台となるザントフォールト・サーキットは砂丘に囲まれるなど2021年のF1カレンダーの中でも一風変わっており、高速で流れるような昔ながらのトラディショナルな雰囲気を備えている。

1985年以来のカレンダー復帰である事に加えて、コースレイアウトに手が加えられた事もあり過去のデータを頼りにする事はできず、チームとドライバーは未知の世界への一歩を踏み出す事になる。

ここでは2021年のF1オランダGPで使用される新しいレイアウトを走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の以下のオンボード映像を交えてザントフォールトの見所と注目ポイントを解説する。

様々な速度域のコーナーが混在しているため、マシンの総合的な性能が試される。また、グラベルがコースを取り囲んでいるため、ドライバーにとってはミスが許されないチャレンジングなサーキットでもある。

最も印象的なセクションは、超高速で急なバンク角が設けられているターン13及び14だろう。インディ500の舞台、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)の約2倍近い18度ものバンクはドライバーに様々な走行ラインを与える一方、タイヤにとっては大きな負荷となり得る。

F1オランダGPの舞台、ザントフォールト・サーキットのコースレイアウト図copyright Formula1 Data

F1オランダGPの舞台、ザントフォールト・サーキットのコースレイアウト図

更にこの区間は数少ないオーバーテイクのチャンスと見られるメインストレートへのアプローチとなるため極めて重要だ。シミュレーションによると現行F1マシンの場合、ターン13を5速295km/h、ターン14を7速260km/hで走り抜ける事が予想される。

180度コーナーのターン1(ターザン・コーナー)はハンガロリンクの第1コーナーに似た形状をしている一方でバンクが設けられているため、追い抜きを仕掛けたり、様々な走行ラインを試す余地がありそうだ。

同じくバンクが設けられたターン3(フーゲンホルツ・コーナー)もチャレンジングだ。ここで上手くトラクションをかける事が、その後に続く高速の連続コーナーでのタイムに大きな影響を与える事になる。

また、第1DRSゾーンの先に位置するタイトでツイスティなターン11及び、ラップの中で最も速度域が遅い(100km/h)と見られるターン12もまた、限られたオーバーテイクチャンスとなる可能性があり、更にはここを上手く駆け抜ける事ができれば最終のバンクコーナーを力強く脱出できるという点でターン1でのオーバーテイクの可能性を引き上げる事できる。

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