ピエール・ガスリー、9年ぶりのザントフォールトをシムで予習「アルファタウリに好都合かも…」
36年ぶりのF1復帰を遂げる2021年FIA-F1世界選手権第13戦オランダGPの舞台、ザントフォールト・サーキットについてピエール・ガスリーは、アルファタウリ・ホンダに有利に働く可能性があると考えている。
スパ・フランコルシャンでの前戦ベルギーGPでガスリーは、ウェット続きの週末を通してミッドフィールドのトップを争うだけの競争力を発揮。予選6番手の好位置を確保するも、レースは大雨の影響で混乱に見舞われ中止となったため、その優位性を結果に変えるチャンスは得られなかった。
ガスリーはオランダGPを前に「F1が世界で最もハイテクなスポーツであっても天候をコントロールする事はできない」と述べ、レース中止を決断した国際自動車連盟(FIA)の判断を改めて支持する考えを示した。
「辛抱強く待っていてくれたファンにとってもそうだし、6番グリッドを獲得するなど好調な週末を過ごしていた僕らにとっても残念な結果になってしまった。決勝レースでの更なるチャンスを確信していたからね」
「有り難い事に次のレースは間近に迫っている。スパでのパフォーマンスから得られたポジティブな要素を、今度はザントフォールトに向けて活かしていきたい」
「ザントフォールトはフォーミュラ・ルノー2.0時代に走った事があるけど、あれは2012年の事だからもう大昔の話だね! あれからコースレイアウトがだいぶ変更されたみたいだから、週末に向けてシミュレーターで経験を積んできた」
「マックス(オランダ出身のフェルスタッペン)がF1に参戦してから初めてのオランダGPという事もあり、素晴らしい週末になるはずだ」
「6.8番手」という今季予選でのガスリーの平均順位が象徴的なように、アルファタウリ・ホンダの2021年型F1マシン「AT02」はミッドフィールド最速を争うポテンシャルを秘めているものの、チームとしてはそれを結果に繋げ切れず、コンストラクターズ選手権では6位に沈んでいる。
それはチームメイトが学習途上の新人、角田裕毅である事や戦略面での失態といった他に、AT02がレース本番に弱いという側面も少なからずある。今季のガスリーが予選を上回る位置で決勝レースを終えた事は3度しかなく、決勝平均順位はリタイヤを除いて「8.3位」と、予選平均に劣る。
見方を変えれば、アルファタウリ・ホンダは予選結果が重視されるコースでアドバンテージを持つという事だが、ガスリーはザントフォールトがこれに当てはまると主張する。
「ザントフォールトはストレートが非常に短く、コース自体もかなり狭いからオーバーテイクは特に難しいだろうし、ある意味、モナコの再現とも言えそうだ。興味深いよね」
「特に予選が重要になると思うけど、その点僕らはかなり優れたパフォーマンスを発揮できているから、結果的には良い方向に向かうかもしれない」
「海沿いという事もあり、初日金曜はアスファルトに砂が溜まった状態で埃っぽい路面になる事が予想されるけど、時間を経る毎にコンディションは変化していくと思う」
1985年以来、36年ぶりのF1復活となるオランダGPの戦いの舞台となるのはザントフォールト・サーキット。1周4,259mと非常に短く、復帰に際して改修された18度ものバンクが設けられたターン3とターン14が注目される。
ベルギー生まれのオランダ人ドライバー、マックス・フェルスタッペンは、2週連続での母国優勝という非常にレアな記録達成を目指す事になる。
F1オランダGPは、日本時間9月3日(金)18時30分からのフリー走行1で幕を開ける。