2021年F1:グランプリ別タイヤコンパウンド配分…初開催オランダは鈴鹿同様のハードチョイス
バーレーンでの2021年シーズン開幕を1ヶ月後に控えて、各グランプリ毎に供給されるタイヤコンパウンドが明らかにされた。概ね例年と変わらない傾向だが、アゼルバイジャンとブラジルがソフト寄りに変更された。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる物流上の課題に対処すべく、昨年導入された固定配分制は継続され、各ドライバーは各レースにおいて、ハード2セット、ミディアム3セット、ソフト8セットが供給される。
コンパウンドはC1(硬い)からC5(柔らかい)までの5段階が製造され、各グランプリのサーキット特性に応じて適時配分される。なお増大する負荷への対策として、今季のピレリタイヤは構造に改良の手が入れられている。
ピレリと国際自動車連盟(FIA)は、状況に応じて各レースの15日前までに持ち込むコンパウンドを変更する権利を有するが、以下の通り取りあえずは23戦全ての計画が明らかにされた(ハード:H、ミディアム:M、ソフト:S)。
グランプリ | C1 | C2 | C3 | C4 | C5 |
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バーレーン (3/28) | H | M | S | ||
エミリア・ロマーニャ (4/18) | H | M | S | ||
ポルトガル (5/2) | H | M | S | ||
スペイン (5/9) | H | M | S | ||
モナコ (5/23) | H | M | S | ||
アゼルバイジャン (6/6) | H | M | S | ||
カナダ (6/13) | H | M | S | ||
フランス (6/27) | H | M | S | ||
オーストリア (7/4) | H | M | S | ||
イギリス (7/18) | H | M | S | ||
ハンガリー (8/1) | H | M | S | ||
ベルギー (8/29) | H | M | S | ||
オランダ (9/5) | H | M | S | ||
イタリア (9/12) | H | M | S | ||
ロシア (9/26) | H | M | S | ||
シンガポール (10/3) | H | M | S | ||
日本 (10/10) | H | M | S | ||
アメリア (10/24) | H | M | S | ||
メキシコ (10/31) | H | M | S | ||
ブラジル (11/7) | H | M | S | ||
オーストラリア (11/21) | H | M | S | ||
サウジアラビア (12/5) | H | M | S | ||
アブダビ (12/12) | H | M | S |
概ね昨年(昨年中断されたグランプリの場合は2019年)と変わらぬ配分だが、バクー市街地サーキットでのアゼルバイジャンGPと、インテルラゴス・サーキットでのブラジルGPの2戦は変更されている。
前回大会でハードとして投じたC2タイヤが決勝レースで使用されなかった事を受けて、アゼルバイジャンGPの配分は一段柔らかいC3~C5へと変更された。
ブラジルGPに関しては、一昨年にハードとして投じたC1が摩耗面でC2と変わりなかったため、こちらも一段柔らかめに変更された。
ピレリのF1部門を率いるマリオ・イゾラは変更について「柔らかいコンパウンドの投入によりレース戦略の多様化が期待される」と説明した。
新たにカレンダーに加わったザントフォールト・サーキットでのオランダGPは、鈴鹿サーキットやシルバーストンと同じくタイヤへの負荷が厳しいとの判断から最も硬いC1~C3がチョイスされ、ジェッダ市街地コースのサウジアラビアはC3~C5の最も柔らかいコンパウンドが持ち込まれる事となった。