
ノリスがレコード更新の逆転ポール、角田「本当に不公平」Q2敗退 / F1モナコGP 2025《予選》結果と詳報
2025年FIA-F1世界選手権8戦モナコGPの公式予選が5月24日、モンテカルロ市街地コースで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)が1分9秒954のコースレコードを樹立。今季2回目のポールポジションを獲得した。角田裕毅(レッドブル)は12番手にとどまり、Q2敗退を喫した。
三つ巴のポール争い
“真のドライバーズサーキット”でのポール争いは、マクラーレンの2台と、週末すべてのプラクティスを制した地元の英雄、シャルル・ルクレール(フェラーリ)による三つ巴の展開となった。
ノリスはQ3最初のアタックラップで、僚友オスカー・ピアストリを0.015秒上回り、暫定トップに立った。しかしながら、ルクレールが最終ラップで0.062秒差のベンチマークを記録。これで決まったかに思われたが、ノリスはその後、唯一、1分9秒台に突入する渾身のラップを叩き出し、ルクレールを0.109秒差で退けてトップに返り咲いた。
ルクレールは、2番手との結果報告を受け、無線を通して苛立ちを爆発させた。Q3最初のアタックでトラフィックに巻き込まれたことを悔やみ、それが最終アタックに影響したと不満をもらした。それでも今季ベストタイのグリッドを確保した。
もう1台のフェラーリをドライブしたルイス・ハミルトンは、FP3でのクラッシュを乗り越えQ3に駒を進めたが、ポール争いに加わることはできず、3番手のピアストリから0.253秒遅れの4番手に終わった。
予選後には、”誤情報”というチーム側の責任要因があったにもかかわらず、Q1でフェルスタッペンの走行を妨害したとして、3グリッド降格処分が科された。
メルセデス勢は赤旗連発、後方スタートに
メルセデス勢は2度の赤旗の原因となり、抜けないモナコでジョージ・ラッセルが14番手、アンドレア・キミ・アントネッリが15番手と、後方スタートを強いられることとなった。
Q1最終盤、アントネッリがヌーベルシケイン1つ目のイン側ガードレールに左フロントを僅かに接触させ、サスペンションが破損したことでバリアに衝突。Q2には残ったものの、予選終了となった。黄旗の後に赤旗が振られたことが影響し、一部のドライバーはタイムを更新できなかった。
🔴 RED FLAG 🔴
Antonelli into the barriers#F1 #MonacoGP pic.twitter.com/cJBBOpeScA
— Formula 1 (@F1) May 24, 2025
続くQ2では開始早々、ラッセルがトンネル内で停止。再び赤旗が振られた。メルセデスによると、ターン1の立ち上がりでバンプ(路面の段差)に乗った際にパワーを失ったいい、電気系のトラブルが疑われている。
レッドブルは明暗、角田「本当に不公平」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は5番手にとどまり、ノリスとは0.715秒という大差がついた。一方の角田は、フェルスタッペンから0.369秒遅れの10番手でQ1を通過したが、Q2ではラッセルのトラブルに伴う赤旗の影響を受け、1回目のアタックを断念せざるを得なかった。
新品ソフトを投入した最終ランでは、1回目に暫定10番手を記録するも、最終ラップでは自己ベストを更新できず。結果、レーシング・ブルズ勢に蹴落とされ、最終12番手で予選を終えた。フェルスタッペンとの差は0.540秒だった。
それが何を意図するのかは明らかでないが、角田は無線を通して「本当に不公平だ。こうなることは分かってた」と、不満を口にした。セッション後のインタビューでは、詳細を明かすことを拒んだが、不満の矛先がチームに向いていることを感じさせる発言もあった。
中団勢の激戦、ブルズとアロンソが躍進
レーシング・ブルズの新人アイザック・ハジャーは、初日のクラッシュを乗り越え堂々の6番手を記録。リアム・ローソンも今季初のQ3進出を果たす9番手と健闘した。
前戦でのアップグレード投入を経て、上昇気流に乗るアストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、7番グリッドを持ち帰った。8番手には、2023年のモナコGPで3位表彰台に上がったエステバン・オコン(ハース)が続き、10番手にはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が滑り込んだ。
アルボンのチームメイト、カルロス・サインツは、オコンにジャスト0.1秒及ばず11番手でQ2敗退を喫した。
アルピーヌ、唯一のダブルQ1敗退
アルピーヌ勢はQ1開始と同時にミディアムタイヤを投入するも、タイムは伸びず、セッション終盤に向けてソフトに交換。だが、ピエール・ガスリーは18番手、フランコ・コラピントは3回のフリー走行に続き、再び最下位に終わった。
グリッド降格ペナルティが科される2名は、揃ってQ1敗退を喫した。
17番手に終わったオリバー・ベアマン(ハース)は、FP2での赤旗中に他車を追い越したとして10グリッド降格を受ける。また、19番手に終わったランス・ストロール(アストンマーチン)は、FP1での走行妨害により1グリッド降格が決定している。
ザウバー勢は、ニコ・ヒュルケンベルグがQ2に駒を進めて13番手を記録したが、ガブリエル・ボルトレートはわずか0.022秒でQ1敗退を喫し、16番手に終わった。
決勝レースは日本時間5月25日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周3340mのモンテカルロ市街地コースを78周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2025年F1第8戦 モナコGP 予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:11.285 | 1:10.570 | 1:09.954 | 27 |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:11.229 | 1:10.581 | 1:10.063 | 27 |
3 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:11.308 | 1:10.858 | 1:10.129 | 29 |
4 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 1:11.575 | 1:10.883 | 1:10.382 | 28 |
5 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:11.431 | 1:10.875 | 1:10.669 | 21 |
6 | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 1:11.811 | 1:11.040 | 1:10.923 | 27 |
7 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:11.674 | 1:11.182 | 1:10.924 | 30 |
8 | 31 | オコン | ハース | 1:11.839 | 1:11.262 | 1:10.942 | 32 |
9 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 1:11.818 | 1:11.250 | 1:11.129 | 26 |
10 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:11.629 | 1:10.732 | 1:11.213 | 34 |
11 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 1:11.707 | 1:11.362 | 25 | |
12 | 22 | 角田裕毅 | レッドブル | 1:11.800 | 1:11.415 | 20 | |
13 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 1:11.871 | 1:11.596 | 23 | |
14 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:11.507 | 13 | ||
15 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:11.880 | 11 | ||
16 | 5 | ボルトレート | ザウバー | 1:11.902 | 13 | ||
17 | 87 | ベアマン | ハース | 1:11.979 | 13 | ||
18 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:11.994 | 11 | ||
19 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:12.563 | 11 | ||
20 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 1:12.597 | 12 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 22℃ |
路面温度 | 42℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1モナコGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | モンテカルロ市街地コース |
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設立 | 1929年 |
全長 | 3340m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |