
ルクレール、ストロール追突を経て最速発進―角田裕毅は堅実周回 / F1モナコGP 2025《FP1》結果と詳報
2025年F1世界選手権の第8戦モナコGPが5月23日に開幕を迎え、地元出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が唯一1分11秒台に突入し、金曜のフリー走行1回目(FP1)でトップに立った。角田裕毅(レッドブル)は14番手にとどまった。
地元ヒーロー、赤旗接触を乗り越え最速
昨年のモナコGPウィナーであるルクレールは、SF-25が低速コーナーに課題を抱えていることから厳しい週末になると予想。セッション序盤には無線でハンドリングへの不満を繰り返し訴えていたが、摩耗した最も柔らかいコンパウンドのソフトタイヤ(C6)を履きながらも、前年の同セッション全体ベストを上回る走りを見せた。
一方で、地元モンテカルロでのオープニングセッションは、ルクレールにとって波乱のスタートとなった。開始からわずか8分、ホテルヘアピン進入時にランス・ストロール(アストンマーチン)のリアに追突。ルクレールのフロントウイングは破損し、破片がコース上に散乱したことで赤旗中断となった。
状況としては、ストロールがイン側に寄ってアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に道を譲った直後、後方から迫るルクレールに気づかずレーシングラインに戻ったことで接触が発生した。ストロールはギアボックス交換が必要となり、セッション続行を断念。走行はわずか4周にとどまった。
スチュワードは一般的に、プラクティス中の接触や妨害に対しては、比較的寛容な判断を下す傾向があるが、この接触についてはセッション後、ストロールに1グリッド降格とペナルティポイント1点という厳しい処分が科された。
マックスがノリスを上回る、角田は苦戦
マクラーレン勢は序盤からソフトタイヤ(C6)で速さを見せたが、ミディアム(C5)に履き替えてからはタイムが伸び悩んだ。ランド・ノリスは3番手、オスカー・ピアストリはミディアムで5番手タイムを記録した。6番手にはメルセデスのジョージ・ラッセルが続いた。
イモラでの前戦を制したレッドブルは、ハードタイヤ(C4)でセッションを開始し、後半にソフトへ切り替え。マックス・フェルスタッペンは残り2分でルクレールに0.163秒差の2番手タイムを記録した。
一方の角田は、31周と充実のラップを走り込み、ハードタイヤでは健闘したものの、ソフトでのラップはまとめきれず、フェルスタッペンから1.105秒差の14番手に終わった。
ウィリアムズ好調維持、ハミルトンは混沌9番手
ウィリアムズは引き続き好調を維持し、アレックス・アルボンが4番手、カルロス・サインツが7番手に食い込んだ。8番手にはアルピーヌのピエール・ガスリーが続いた。
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、序盤のミディアムタイヤで速さを見せたが、ソフトでは振るわなかった。終盤には進路を妨げたとしてリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)の怒りを買う場面があり、ローソンのレースエンジニア、エルネスト・デジデリオから「いつものハミルトンだな」と皮肉を浴びた。
ハミルトン自身もまた、他車の妨害に遭い、ラップの中断を強いられる場面があったほか、プールサイド・シケインではイン側の壁に接触し、跳ね上がりながら縁石を越えるというシーンもあったが、深刻なダメージはなく、9番手でセッションを終えた。10番手にはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が続いた。
特別ルールの影響—タイヤ戦略の分岐
今週末のモナコGPでは、FIAが導入する特別ローカルルールにより、3セットの異なるタイヤ使用と2回のピットストップが義務化される。そのため、各チームにとってプラクティス中のコンパウンドの使い方は重要だ。
FP1ではレッドブル、メルセデス、アストンマーチン、ハース、ウィリアムズの5チームがミディアムタイヤ(C5)を温存した。
FP2は日本時間5月23日(金)24時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2025年F1第8戦 モナコGP フリー走行1(FP1)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:11.964 | 32 | |
2 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:12.127 | +0.163 | 29 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:12.290 | +0.326 | 31 |
4 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:12.314 | +0.350 | 33 |
5 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:12.342 | +0.378 | 27 |
6 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:12.482 | +0.518 | 32 |
7 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 1:12.534 | +0.570 | 35 |
8 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:12.669 | +0.705 | 28 |
9 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 1:12.690 | +0.726 | 29 |
10 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:12.727 | +0.763 | 27 |
11 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:12.765 | +0.801 | 33 |
12 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 1:12.979 | +1.015 | 29 |
13 | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 1:13.187 | +1.223 | 34 |
14 | 22 | 角田裕毅 | レッドブル | 1:13.232 | +1.268 | 31 |
15 | 87 | ベアマン | ハース | 1:13.329 | +1.365 | 33 |
16 | 31 | オコン | ハース | 1:13.394 | +1.430 | 30 |
17 | 30 | ローソン | レーシングブルズ | 1:13.429 | +1.465 | 36 |
18 | 5 | ボルトレート | ザウバー | 1:13.470 | +1.506 | 28 |
19 | 43 | コラピント | アルピーヌ | 1:13.820 | +1.856 | 31 |
20 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:15.635 | +3.671 | 4 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 22℃ |
路面温度 | 41℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1モナコGP |
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セッション種別 | フリー走行1 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | モンテカルロ市街地コース |
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設立 | 1929年 |
全長 | 3340m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |