
F1モナコGP:開幕早々グリッド降格ペナの波乱、ストロールとルクレールの接触で
2025年5月23日、F1世界選手権第8戦モナコGPのフリー走行1回目(FP1)が開催され、地元出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランス・ストロール(アストンマーチン)の接触事故が発生。このアクシデントにより、ストロールに対し、1グリッド降格とペナルティポイント1点の処分が科された。
一般的に、プラクティス中の接触や妨害に対しては、比較的寛容な判断が下される傾向にある。だが、今回の接触については、それでもなお重大なミスとして捉えられ、ペナルティが科された。もしこれが予選中に発生していた場合、さらに重い処分が下された可能性が高い。
接触が発生したのはセッション開始から約8分後。ストロールはホテルヘアピンにて、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリに道を譲るためイン側に寄ったが、直後に後方から接近していたルクレールの存在に気づかず、レーシングラインへ戻った。その結果、ルクレールが減速しきれずに追突。フロントウイングが破損し、コース上に破片が散乱したため赤旗が提示された。
リアサスペンションおよびギアボックスに損傷を受けたため、ストロールはセッション続行を断念。走行はわずか4周にとどまった。一方のルクレールはフロントウイングを交換してセッションに復帰し、最終的に1分11秒964の最速タイムをマークした。
セッション終了後、スチュワードは両ドライバーおよび各チームの代表者を召喚し、映像とデータを精査。最終的に「ターン6(ヘアピン)において、ストロールがルクレールの進路を妨害し、接触を引き起こした」と結論付けた。
聴聞会においてストロールは、チームから「ルクレールが接近している」との警告を無線を受けていたが、これを聞き逃したと釈明した。ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団は、ルクレールに衝突を回避する術はなく、ストロールに「全面的な責任がある」として、1グリッド降格とペナルティポイント1点の処分を決定。これにより、ストロールの累積ポイントは過去12か月で3点に達した。
この裁定により、ストロールは決勝でのスターティンググリッドが1つ後退することとなり、予選でのポジション争いの重要性が一層、高まる形となった。