
F1モナコGP:予選4位ハミルトンに降格処分、”誤情報”でフェルスタッペンを妨害
2025年F1第8戦モナコGPの公式予選において、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のアタックラップを妨害したとして、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)に3グリッド降格ペナルティが科された。この裁定により、ハミルトンは決勝で7番グリッドに着くこととなった。
問題のシーンはQ1序盤に発生した。アタックラップ中のフェルスタッペンがマスネ(ターン3)にアプローチした際、低速走行中のハミルトンと遭遇。急な回避行動を余儀なくされ、無線を通じて激しい非難の声を上げた。
スチュワードの調査および関係者聴取の結果、フェラーリがハミルトンに誤った情報を伝えていたことが明らかとなった。
スチュワードによると、ハミルトンはターン2へのアプローチ時点で、レーシングライン外を低速で走行していた。後方には、アタックラップ中のフェルスタッペンが接近してきていた。
当初、フェラーリはハミルトンに対して、フェルスタッペンは「ファストラップ中」であると伝えたが、続けて「減速している」と伝達。だが実際には、フェルスタッペンは一貫してプッシュを続けており、チームからの「減速」という情報は誤りだった。
その誤情報を受けてハミルトンは加速を開始。ターン3に向けてレコードライン上へ戻ったことで、結果的にフェルスタッペンの進路を妨害する格好となった。
スチュワードは、フェルスタッペンがこれまでの周回で取っていたラインと照らし合わせた上で、ハミルトンがフェルスタッペンの走行を妨害したのは「明らか」と判断した。
一件の直後、ハミルトンは無線を通して、誤った情報を伝えたチームに不満を示しており、聴聞でもそれが原因だったと主張したが、スチュワードは過去の事例を引き合いに、「こうした事情は情状酌量の理由とはならない」とし、妨害行為に対する標準的な3グリッド降格を科した。
今週末はハミルトンの他にも2名のドライバーが降格処分を受けている。
オリバー・ベアマン(ハース)は、FP2中の赤旗提示下でカルロス・サインツ(ウィリアムズ)を追い抜いたとして10グリッド降格を受けた。
また、ランス・ストロール(アストンマーチン)は、FP1でシャルル・ルクレール(フェラーリ)の走行を妨害し、さらに予選中にはピエール・ガスリー(アルピーヌ)のアタックラップを妨げたとして、合計4グリッドの降格処分を受けている。