F1モナコ決勝グリッドとタイヤ戦略考︰一層高まる雨の確率…予測不能のレースで何を選択すべきか
5月29日(日)の日本時間22時よりモンテカルロ市街地コースで開催されるF1第7戦モナコGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および決勝のタイヤ戦略を見ていこう。
今週末はピエール・ガスリー(アルファタウリ)が制限範囲内となる今季5基目のエキゾーストを開封した以外にパワーユニットのコンポーネントを交換した者はなかった。
ギアボックスに関しては角田裕毅(アルファタウリ)とダニエル・リカルド(マクラーレン)が新品のギアボックス・ケース及びカセット、駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を開封しているが、こちらも罰則対象ではなかった。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」
スターティンググリッドに予選順位との相違はなく、ポールポジションにシャルル・ルクレール、2番手にはカルロス・サインツと、フェラーリ勢が最前列を陣取る。
想定されるタイヤ戦略
日曜午後のモナコの降水確率は80%を超えており、週末が始まる前の段階よりもウェットレースとなる可能性が高まっているが、取り敢えずドライコンディションの場合のタイヤ戦略についてみていこう。
昨年のオーバーテイク数が”ゼロ”であった事に象徴されるように、ドライ路面のモナコはオーバーテイクが極めて困難だ。路面はスムーズでタイヤのデグラデーションは低く、1ストップ作戦が主流となるのは疑いない。
唯一無二の追い抜きのチャンスはスタート直後にやってくる。ブラックアウトからのターン1までがオーバーテイクの最大のチャンスであり、それを考慮すると蹴り出し優位なソフトタイヤにアドバンテージがある。
ただしピレリによると、今季の18インチは金曜の動向を見る限り摩耗の程度がやや高いと言う。そのため20周を超えたあたりからピットストップを行い、その後はミディアムではなくハードタイヤを装着してチェッカーを目指すドライバーが多くなる事が予想される。
分析によってピレリが導き出した最速のタイヤストラテジーはソフト、ハードと繋ぐ1ストッパーだが、ミディアムでスタートしてハードに履き替える手も一考だと言う。
ミディアムを選択した場合、第1スティントの幅に余裕を持たせる事ができる。デグラデーションが小さいモナコでは得てしてオーバーカットが効きやすく、その意味でもミディアムは有効な選択肢の一つになるかもしれない。
赤旗に翻弄されQ1敗退を喫したピエール・ガスリーは非オーソドックスな戦略を取ってくる可能性がある。つまりはハードスタートだ。
ただ結局のところ、仮に雨が降り続くならば、誰もがウェットタイヤかインターミディエイトタイヤのどちらか1セットでレースの完走を目指す事になるだろう。問題はドライとウェットが入れ替わるような状況となった場合だ。
目安のラップタイムは1分20秒程度とみられており、これを切るレベルであればインターからスリックに替え、逆にこれを超えるようであればスリックからインターに履き替える。
2022年F1モナコGP 決勝グリッド
78周で争われるF1モナコGPの決勝レースは現地15時、日本時間22時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNとフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | C.ルクレール | フェラーリ | 1(-) |
2 | C.サインツ | フェラーリ | 2(-) |
3 | S.ペレス | レッドブル | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 4(-) |
5 | L.ノリス | マクラーレン | 5(-) |
6 | G.ラッセル | メルセデス | 6(-) |
7 | F.アロンソ | アルピーヌ | 7(-) |
8 | L.ハミルトン | メルセデス | 8(-) |
9 | S.ベッテル | アストンマーチン | 9(-) |
10 | E.オコン | アルピーヌ | 10(-) |
11 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 11(-) |
12 | V.ボッタス | アルファロメオ | 12(-) |
13 | K.マグヌッセン | ハース | 13(-) |
14 | D.リカルド | マクラーレン | 14(-) |
15 | M.シューマッハ | ハース | 15(-) |
16 | A.アルボン | ウィリアムズ | 16(-) |
17 | P.ガスリー | アルファタウリ | 17(-) |
18 | L.ストロール | アストンマーチン | 18(-) |
19 | N.ラティフィ | ウィリアムズ | 19(-) |
20 | 周冠宇 | アルファロメオ | 20(-) |