オスカー・ピアストリがドライブする81号車マクラーレンMCL38、2024年6月28日F1オーストリアGPスプリント予選
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マクラーレン、F1オーストリア予選結果に異議も”お粗末”な理由で要件満たさず却下…ピアストリの3番手喪失を巡り

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マクラーレンは2024年6月29日(土)に行われたF1オーストリアGP予選のリザルトに意義を申し立てた。これを受けスチュワードは現地19時35分より聴聞会を行い、これを受理せず却下する決定を下した。

予選暫定結果が発表された後、マクラーレンは予選Q3でオスカー・ピアストリが記録したラップタイム(1分4秒786)がターン6のトラックリミットにより抹消されたことに抗議した。ピアストリは3番手を失い7番手に後退した。

スチュワードはまず、異議を受理するか否かを決めるために聴聞会を開催した。マクラーレン側からは、スチュワードによるトラックリミットの判定が適切であるという「疑いの余地がない合理的な証拠」を求めていたチーム代表のアンドレア・ステラとチームマネージャーのランディープ・シンが出席した。

しかしながら、FIA国際競技規定第12条3項3号に定められている通り、異議申立てが可能なのは、不正または規則違反、 車両に対する規定違反との主張、競技終了時に確定した順位など、対象が限定されており、スチュワードの決定はこれに含まれていない。

スチュワードの決定に対して納得できない場合は、FIA国際控訴審判所(ICA)への控訴か、あるいは再審請求権を行使する必要がある。

さらに、申立ての宛先がスチュワード委員長宛てではなくコース・クラーク宛てになっていたこと、異議申立てに関わる関連規則が明記されていなかったこと、誰に対して異議を申し立てたのかが明記されていなかったことなど、異議申立ての受理に必要な要件を満たしていなかった。

そのためスチュワードは「ルール上認められない」として却下し、申し立てに際してマクラーレンから納付された2,000ユーロ(約34万円)の供託金を没収した。

予選ではピアストリのほかに、シャルル・ルクレール(フェラーリ)やピエール・ガスリー(アルピーヌ)、角田裕毅(RBフォーミュラ1)を含む計9名が、走路外に出たとしてラップを抹消された。

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